【ノジマTリーグ男子】水谷隼の的確なアドバイスが及川瑞基や松島輝空を勝利に導き、木下マイスター東京の好調を支える

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卓球
©マンティー・チダ
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文 マンティー・チダ

ノジマTリーグは23日、アリーナ立川立飛で男子の1試合が行われ、木下マイスター東京(以下KM東京)が昨シーズン年間チャンピオンの琉球アスティーダを、ビクトリーマッチの末に、マッチカウント3-2で勝ち点3を積み上げた。

第1マッチのダブルスでは、日本卓球界で初の五輪金メダリストとなった#0水谷隼が登場。東京2020オリンピック男子団体戦3位決定戦以来の実戦となり、#7田添健汰とのペアで挑んだが、#6髙見真己/#77松山祐季ペア(琉球)にゲームカウント0-2で敗れた。

渡邊隆司監督は「(水谷に)出場を正式に打診したのは、この日の朝。これまでは練習相手として体を動かしていた程度で、本気モードの練習は朝に1時間程度したぐらい」と水谷のコンディションが万全ではないことを明かしている。

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ただ、KM東京は第2マッチのシングルスで、#2及川瑞基が#0吉村真晴(琉球)のサービスを攻略してゲームカウント3-1で下し、第3マッチは#1松島輝空が松山に3-0のストレートでTリーグシングルス初勝利として、勝利へ王手をかけた。

しかし、第4マッチで登場した琉球の#2有延大夢が、サーブからの3球目攻撃で流れを掴み、田添に3-1で勝利。マッチカウント2-2となったため、勝負の行方は1ゲーム(11点先取)方式のビクトリーマッチにゆだねられた。

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絶好調の琉球・有延大夢をたった1球のレシーブで流れを掴んだ、KM東京・及川瑞基

ビクトリーマッチに登場したのは、第4マッチを勝利した勢いから、琉球が有延を起用したのに対し、KM東京は第2マッチで吉村を下して、Tリーグシングルス全勝の及川を送り出した。

有延はとにかく絶好調だった。第1ゲームでは10-11で競り負けたが、第2ゲーム以降は打つべきショットを正確に決めて、ゲームカウント3-1と逆転勝利。第4ゲームでは、あと1点でゲームタイに持ち込まれるところから、4連続得点でひっくり返すなど、有延本人や琉球ベンチは、意気揚々とビクトリーマッチへ向かっていたのだ。

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有延のサーブで始まったビクトリーマッチ。サーブをきっちり入れて、及川のレシーブから有延が放った3球目フォアドライブがコースよく決まって、先制点のはずだった。及川は有延の強烈なドライブに対して、まるで球筋を読み切ったかのようなレシーブで拾い切ると、その後はラリーに持ち込み、先制点を奪ったのである。

ここで有延の気持ちが切れてしまったのか、及川は琉球のタイムアウトを挟んで、先制点も含めて怒涛の7連続得点。有延も終盤に3球目フォアやバックカウンターで応戦するが、及川を捉える頃が出来なかった。結局、11-5で及川がビクトリーマッチを制し、KM東京は開幕からの無敗を守ったのだ。

及川や松島の躍進を支える水谷隼の的確なアドバイス

あれだけ絶好調だった有延を、たった1球のレシーブで試合の流れをひっくり返した及川。もちろん、そこに向かうまでの過程として、松島のシングルス初勝利が無ければ、ビクトリーマッチはおろか、KM東京の勝利は無かったのかもしれない。

KM東京の強さは一体どこに隠されているのだろうか。それはベンチから選手へ的確にアドバイスを繰り返していた、水谷の存在が大きいものと考えられる。

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渡邊監督によると、水谷がビクトリーマッチへ臨む及川に対して「レシーブを中心にポイントを的確にアドバイスをしていた」と概要を話してくれた。第3マッチでTリーグシングルス初勝利の松島も「水谷さんのアドバイスのおかげで勝つことができた」と水谷に感謝している。

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水谷がこれまで培ってきた経験は、日本卓球界史上最高だと言っても過言ではないだろう。KM東京はこれまで無敗を誇っているが、毎回オーダーが違うこともあり、決して盤石ではない。

それぞれの持ち味に応じたアドバイスができる指導者は限られてくる。やはり、水谷隼はこれからの日本卓球界に必要な人材だと、改めて思わせてくれた瞬間だった。

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