【バスケBリーグ第3節】背番号「12」の仙台・寒竹隼人、近年最高のコンディションとモチベーションで念願のB1昇格へ

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バスケットボール
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文 マンティー・チダ

Bリーグ、B2東地区に所属する仙台89ERS。Bリーグ初年度にあたる2016-17シーズンこそB1に所属していたが、2017-18シーズンからB2に降格すると、以降は地区で上位を争うが、B1昇格までにたどり着くことができていない。

昨季の仙台は、東地区を4位通過し、昨季から導入されたB2プレーオフに進出。ホームアドバンテージを獲得できず、1回戦からアウェイで戦うことになったが、西地区1位の西宮ストークスを下す。残念ながら、茨城ロボッツとのセミファイナルに敗れ、3位決定戦では越谷アルファーズに惜しくも敗戦し、4位でシーズンを終えていた。

そして、今季。それまで3シーズンチームを指揮した桶谷大HCが、2021-22シーズンより琉球ゴールデンキングスの指揮官に復帰。入れ替わるように、昨季まで琉球を指揮していた藤田弘輝氏が新HCとして、仙台に加入したのだ。

選手も大幅に入れ替わった。外国籍選手はジャスティン・バーレル(前名古屋D)らが新加入し、日本人選手では、広島から荒尾岳(完全移籍)と田中成也(レンタル移籍)、島根から神里和とそれぞれ前チームではプレータイムに恵まれなかった選手たちが加わった。

そんな中、今季から背番号を「12」に戻したのが、仙台へ完全移籍となった寒竹隼人。昨シーズンは琉球から仙台にレンタル移籍で加入すると、5シーズンぶりに50試合出場を果たし、平均出場時間も10分を超えてきた。寒竹にここまでのチーム状況やチームへの想い、自身のコンディションなどを聞いてみた。

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B1昇格に向けて大切な2敗

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10月18日、仙台は大田区総合体育館でアースフレンズ東京Zと対戦し、17日に続き連勝を飾った。これでシーズン6試合を消化して、4勝2敗。東京Z戦で、仙台は今季初の同一カード連勝を達成した。寒竹は、この試合で5本の3pを入れて15得点。特に3Qでは、東京Zに2点差まで詰められたところから、再び突き放す3pを沈めていた。

「僕らが目指しているバスケット像までは、まだたどり着けていない。ネガティブにならず、ポジティブにチームとして僕らが目指しているところに向けて、頑張ろうとしているので、雰囲気としてはすごく良いですね」

6試合を振り返った段階でこう話した寒竹。「福島と佐賀に対して1勝1敗に終わり、スタートダッシュとしては全勝しておきたかった」としたが、負けた2試合について「僕らが学ばないといけないシチュエーションだった。早い段階でチームとして経験できてよかったのかな。B1昇格に向けて大切な2敗だった」と昨季の悔しい想いがこのように経験として生きているようだ。

今季から4シーズンぶりの背番号「12」

先程も述べた通り、寒竹は背番号を「12」に戻した。「12」の背番号としていたのは、2016-17シーズンの島根スサノオマジックと2017-18シーズンの大阪エヴェッサ。島根の時は、シーズン前のプレシーズンゲームで前十字靭帯断裂や膝蓋骨脱臼といった大ケガに見舞われた。翌年の大阪では、ケガは癒えたものの、本来のパフォーマンスから程遠い状況。それ以来の背番号「12」だった。

「昨季は琉球からのレンタルで、琉球に対するリスペクトや気持ちを込めて『58』を背負いましたが、今季は完全に『仙台の寒竹隼人』として頑張ろうと、元々愛着のある背番号に変えました。昨季が特別で、今季は自分らしくやれれば」

自分らしくやることにフォーカスをする寒竹だが、これまでの経験から「プレーの内容よりも健康が一番」とコンディション維持を強調する。

「体のコンディションはばっちりで、そこは一番ありがたい。小さなケガも7月以降ありませんから、コンディションはすごく良いですね」

大ケガをして以降、ここ数シーズンでは一番状態が良いようだ。

今季にかける想いはチームとしてむちゃくちゃ強い

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昨シーズンのレンタルから仙台へ完全移籍となった寒竹も気持ちを新たに、シーズンを迎えていた。

「チームとしてはリスタートみたいな感じになっているので、自分としては役割として充実しているし、チームにもっと影響を与えられるようなポジションであると思う。すごくやりがいもあるし、気持ちも感じる。モチベーションはめちゃくちゃ高いし、楽しみなシーズンですね」

寒竹は今季のチームに多くの希望を持っていた。藤田HCをはじめ、新たに加入した選手たちの多くは、昨季不本意な成績に終わっている。今季にかける彼らの想いと、寒竹ら昨季B1昇格を逃した選手たちの想いが相まみれ、寒竹に言わせれば「今季にかける想いは、チームとしてむちゃくちゃ強い」となるわけだ。

「彼らの気持ちは一番理解できます。これまでいろんな経験をしてきたので、そこは僕の強みでもある。人一倍理解できるし、その気持ちも僕に乗っかっているので。だからモチベーションも凄く高いのかなと思います。自分だけでなく」

寒竹はこのチームの誰よりも苦い経験をしている。ベテランが引退や移籍したことで、寒竹はチーム最年長となり、今シーズンはオフコートキャプテンに就任した。18日の試合でも、ベンチから片岡大晴とともに大きな声でチームを鼓舞。そのコート上では、チーム最年少の#15渡辺翔太が司令塔としてチームをコントロールしていた。

「自信をもってやること、アグレッシブにやること、自分の力を信じる事。彼らは力を持っているのは間近でみてわかっているので、練習も凄くハードにやってくれるし、こんなに練習するのかというくらい。今日は渡辺翔太が開幕から2節なかなか乗れなくて悩んでいましたけど、しっかり爆発してくれた。いつも通りの渡辺翔太を見ることができて、むちゃくちゃ嬉しかった」と寒竹はまるで自分の事のよう喜んでいた。

「若手がいかにやりやすくできるのかということを考えながら、試合中もずっと声掛けをしていきたい」

寒竹は、様々な選手の想いを組みながら、コート内外から声を出し続ける。

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