【Bリーグファイナル】「2戦先勝方式」がもたらした白熱の第3戦、地に足の着いた激闘の末に千葉ジェッツが念願のリーグ戦初制覇

スポンサーリンク
バスケットボール
©マンティー・チダ
この記事が気に入ったら最新ニュース情報を、
いいねしてチェックしよう!

文 マンティー・チダ

Bリーグファイナル第3戦が1日に横浜アリーナで行われ、千葉ジェッツが宇都宮ブレックスを71-62で下し、ファイナル3度目の進出で念願の初優勝を達成した。チャンピオンシップMVPには#22セバスチャン・サイズ(千葉)、日本生命ファイナル賞は#2富樫勇樹が受賞する。

スポンサーリンク

第1戦は千葉、第2戦は宇都宮が持ち味を出し切って勝利

今回のファイナルはこれまでの1発勝負方式から2戦先勝方式に変更となった。1発勝負の場合、より早く流れを掴んだチームが勝利する傾向にある。では2戦先勝方式となった、今シーズンのファイナルはどうだったのだろうか。

第1戦と第2戦のスコアは以下の通り。

第1戦 千葉 85-65 宇都宮

第1戦は千葉がオフェンスリバウンド14を数えるなど、リバウンドで宇都宮を上回る。ペイントエリアで優勢に立ったことからこのエリアで40得点、セカンドチャンスから24得点とこの部分でも宇都宮を大きくリードした。

第2戦 宇都宮 83-59 千葉

第1戦で大敗を喫してもう負けられない宇都宮がディフェンスからエナジーを発揮し、千葉から大きくリードを奪う。前半だけで52-32と20点差をつけたことで、後半に向けて大きなアドバンテージとなった。後半、千葉も宇都宮の得点を抑えることはできたけど、前半のビハインドが効いた。宇都宮が勝利して1勝1敗のタイに持ちこむ。第2戦のスタッツを確認すると、宇都宮はオフェンスリバウンド15を含む45本で千葉を10本上回り、セカンドチャンスからの得点も21-7としてアドバンテージを得ていた。

こうして分析をしてみると、第1戦は千葉、第2戦は宇都宮が自分たちのバスケットをやり切ったことで、それが数字としてあらわれたのである。第2戦の試合後記者会見で、千葉・大野篤史HCは宇都宮に勝つ条件として「ポゼッションで相手を上回る事」とすると、富樫も「リバウンドが一番重要」と相手より攻撃回数を上回ることが勝利への近道とした。

一方の宇都宮・安齋竜三HCは「ディフェンスのプレッシャーを前からできた。第1戦は千葉のディフェンス強度が高く、セカンドチャンスをやられていた。千葉を相手に75点以内には抑えたい」とすると、#13渡邉裕規も「リバウンドや球際の強さからスティールやルーズボールも取れて、ファストブレイクまで行けた。オフェンスをストレス無くできたので点数が伸びた」と続ける。勝敗の差はあるが、両チームとも「ポゼッション、リバウンド、ディフェンス強度」といった部分で優勝の行方が決まると認識していた。果たして第3戦はどうたったのだろうか。

第3戦は終盤までもつれるも、千葉が制してリーグ戦念願の初優勝

第3戦は序盤から互角な立ち上がりを見せた。千葉はサイズが果敢にアタックして得点を重ねると、宇都宮もオフェンスリバウンドでセカンドチャンスを獲得し、ペイントエリアを支配する。前半を35-35の同点で折り返した。

1Qのスタッツを振り返ってみると、スコアとしては千葉が3点リードしているが、中身がまるで違うのだ。千葉はフィールドゴール成功率が53.3%、3pに絞れば57.1%に対して、宇都宮はフィールドゴール成功率が36.8%、3pに至っては1本も決まっていない。ただ両チームがポイントとしてあげていたリバウンドに着目すると、千葉はディフェンスリバウンドのみ8本、宇都宮はオフェンスリバウンド3本を含む11本を数えている。つまり、シュートタッチが良かった千葉に対して、宇都宮はポゼッションを増やしながら得点をしていたのだ。一方、3Qでは千葉のシュートタッチがやや悪くなるが、リバウンドから攻撃回数を増やして得点を重ねたのに対して、宇都宮は徐々にシュートタッチが良くなり、#9遠藤祐亮の3pで同点へ持ち込んで4Qに向かう。

4Qに入っても残り5分までは拮抗した展開だった。残り5分を切って、千葉は#4コ―・フリッピンのスティールから富樫がファストブレイクを炸裂させると、#12シャノン・ショーターが個人技で縦の動きを入れていき、ルーズボールにもチームで積極的に飛び込んでいった。残り30秒前後から宇都宮がファウルゲームに持ち込むも、ショーターが確実にフリースローを決めて点差を広げていく。結局ここでリードした千葉が宇都宮を下して、念願のリーグ初制覇を果たした。

2戦先勝方式で千葉、宇都宮が地に足の着いた熱戦を展開

最後には、フリースローから千葉が70点台に乗せたが、途中までは激しいエナジーを前面に出して、ロースコアゲームになった。念願のリーグ戦初優勝を飾った千葉・大野HCは笑顔で「やっととることができました。ほっとしました」と胸をなでおろせば、これまでのファイナルでは悔しいおもいをぶつけていた富樫も「最高の気分」と話す。敗れた宇都宮も、安斎HCが「ディフェンスの試合になったが、選手たちは素晴らしい仕事をしてくれた」と選手をねぎらう。

こうして振り返ってみると、今シーズンのファイナル第3戦は、ベストゲームと呼ぶにふさわしい試合だったと考えられる。それをもたらしたのは、今シーズンから導入された「2戦先勝方式」だった。第1戦で千葉が持ち味を発揮して先勝すると、第2戦ではもう後がない宇都宮が激しい闘志を剥き出しにしてタイに持ち込む。つまり、両チームとも第2戦までに自分たちのスタイルを、ファイナルの舞台である横浜アリーナで出し切っていたことが大きかったのではないだろうか。

セミファイナルまでは、レギュラーシーズン上位チームのホームアリーナで試合が行われているため、ホームチームにはアドバンテージが働くが、今回は中立地の横浜アリーナ。レギュラーシーズンでは一度も試合経験がないアリーナで、ホームアドバンテージもない。そこにファイナルという独特な緊張感が加わる。1発勝負であれば、緊張感に包まれている途中、いわゆる地に足がついていないうちに優勝チームが決まるが、2戦先勝方式になったことで、地にしっかり足がついた状況において試合を行うことができたのだ。

勝者と敗者にわかれてしまうのは、勝負事だから仕方がない。宇都宮の#6比江島慎が終盤にファウルアウトで退場になるが、Bリーグになって初めてのファイナルでかなりの気合を彼から感じた。記者会見でも、悔しそうな表情を見せつつ「来年やり返したい」とリベンジを誓う。

千葉も第3戦では富樫が1Q残り5分で個人ファウル2回を数え、3Qでは宇都宮の速攻を止めにいき、それがアンスポーツマンファウル(アンスポ)と宣告されていた。ただ、富樫がベンチに下がっても、ファイナルを通して好調の#11西村文男がしっかりゲームコントロールをし、チームの危機を救う。富樫は「3Qのアンスポは成長かな。チームのために速攻を止めに行った結果、アンスポになったので。これまでであればスルーしていたかもしれない。(西村)文男さんが後ろにいると心強い」と西村が後ろに控える心強さを痛感していた。

このように様々なドラマがあったけど、ファイナルに勝ち上がってきた2チームの実力が互角であれば、2戦先勝方式でも1勝1敗から第3戦を迎える可能性が高くなる。今回のファイナルで、千葉と宇都宮はそれを証明してくれた。来シーズン以降も、Bリーグファイナルは2戦先勝方式で実施をしてほしい。拮抗した実力同士のチームであれば、必ず第3戦が実現し、そこで真の戦いができるはずだから。

※次のページに写真を掲載しています。

タイトルとURLをコピーしました