文・写真 マンティー・チダ
Bリーグは今シーズンからレギュレーションが変わり、外国籍選手のベンチ登録が2人から3人となった。
昨季は3人契約できても、2人までしかベンチに入ることができなかったのである。
そこで注目が集まるのが、帰化選手枠だ。
今季からアジア特別枠も採用され、帰化選手においてもバリエーションが増えた格好になった。
各チームを見渡すと、帰化選手枠の選手がチームのキーマンとなっているようだ。
主なところでは、ニック・ファジーカス(川崎)、ライアン・ロシター(宇都宮)、ギャビン・エドワーズ(千葉)、アイラ・ブラウン(大阪)といずれも5人制、3人制の日本代表経験者が顔を揃える。
帰化選手は日本人選手と同じように、何分でもコートに立つことができる。
だからこそ、存在感を持たせないといけない。
ただ、今シーズンから外国籍選手もベンチ登録が3人となったため、外国籍選手だけでローテーションができてしまうということも考えられるため、そこに打ち勝つことも求められる。
「アウトサイドからの得点が必要」エドワード・モリス
横浜にも帰化選手がいる。#32エドワード・モリスだ。
2011年に来日し、ここまで9シーズンで7チームを渡り歩いている。
インサイド・アウトサイド問わす器用な選手として重宝されてきた。
しかし、2018-19シーズンから加入した横浜では、日本国籍を取得し帰化選手として加入したものの、インサイド重視という方針もあり、ベンチからのスタートが増えていた。
スタッツにおいてもプレータイムは減少し、平均得点も5点を下回っている。
そして、モリスは横浜で3シーズン目を迎え、コート上の存在感を上げるためにアースフレンズ東京Zとの合同練習会に臨む。
スクリメージ開始早々、モリスはシュートモーションからのディフェンスファウルで、フリースローを打つ機会を得る。
フリースローは来日して9シーズンで50%を超えるぐらいの成功率で、ここ2シーズンは40%前半だったが、自信をもってボールを放っていた。
フリースローは安定した軌道を描き、ゴールに吸い込まれていく。
その後訪れたワイドオープンもやや遠めからとなったが確実に3pを入れてきた。
モリスに少し変化を感じつつ、合同練習会終了後の記者会見において技術面で力を入れてきたことを聞いてみると、偶然にも「フリースロー」「ワイドオープンで空いたところからシュートを決めること」という答えが返ってきた。
そしてプレータイムを伸ばすためには「アウトサイドからの得点が必要」と課題も認識する。
合同練習会の時点でカイル・ミリングHCや外国籍選手がチームに合流できていないが、モリスは今季どういうバスケットをするのかを日本人コーチから学んでいた。
しかし、言葉が通じる外国籍の選手やコーチがいないことで「コンディションよりもメンタルのほうが厳しい」と本音を漏らしている。
「練習をしてきたことが結果に結びつき自信がついている。ただ、満足するには足りないのでもっと練習を重ねないといけない。一歩ずつ自分の目標を達成できるようにしたい」
これまでのキャリアでも、このような状況は経験したことが無いかもしれない。
しかし、モリスの存在感がチーム内外に対して上がることで、他の外国籍選手の手助けになるのは言うまでもない。
モリスは今こそ存在感を出すチャンスではないだろうか。