【Bリーグ第1節】横浜BCが川崎に連敗、守備に手応えもトラブルを打開できる選手の出現が求められる

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バスケットボール
写真提供:横浜ビー・コルセアーズ
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文 マンティー・チダ

Bリーグ横浜ビー・コルセアーズ(以下:横浜BC)は10月3日、川崎ブレイブサンダース(以下:川崎)との「神奈川ダービー」に臨み、73-90で敗戦。開幕から連敗スタートとなった。

GAME1と同様に、前半は川崎に喰らいついた横浜BCだったが、後半開始早々から1分もたたないうちにチームファウルが4つを数えてからペースを乱し、以降最後までリズムを取り戻すことなく敗れた。

しかし、横浜BCにとっては、何も収穫が無かったわけではない。「前半は横浜BCのディフェンスに苦戦した」と川崎佐藤賢次HCが応える通り、ディフェンスで戦う姿勢を見せていた。

横浜BCはGAME1で、川崎の新加入選手である#23マット・ジャニングに19得点。GAME2においても1Qだけで5得点とされていたなかで、横浜BCベンチは2Qから新加入の#8古牧昌也をコートへ送り出していた。

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2Qではディフェンスで存在感を発揮した古牧昌也

🄫マンティー・チダ

古牧は昨シーズンまでB2の群馬クレインサンダーズ(現:B1)に在籍し、キャプテンとして群馬のB1昇格に貢献。今シーズンから横浜BCへ加入し、GAME1でB1初出場を果たしていたが、GAME2ではディフェンスで存在感を示した。

ジャニングとマッチアップになれば、下からあてがって密着するようにマークし、ジャニングの動きを制御させる。これをきっかけにペースを取り戻した横浜BCは、川崎との点差を詰めていった。

古牧は相手のレイアップをブロックショットで応戦し、オフェンスでは味方のスペースを作る動きを見せるなど、スタッツには現れない泥臭いプレーを展開。古牧の活躍からチームが躍動し、後半へ向けて上げ潮ムードでハーフタイムを迎えることになる。

勢いに乗りたかった横浜BCだが、後半開始早々から#14大庭岳輝のディフェンスファウルを皮切りに、#1パトリック・アウダがファウル2回、主将の#46生原秀将にも個人ファウル3回目がコールされ、開始から1分も経過しないうちに、早くもチームファウル4つを数える。これが横浜BCにとって、大きな誤算となってしまった。

これ以上チームファウルが重ねられない横浜BCは、ディフェンスがソフトになってしまい、#22ニック・ファジーカス、ジャニングの得点で、川崎にリードを広げられる。#7レジナルド・ベクトンの個人ファウルで、横浜BCはこのクォーター5個目のチームファウルになると、川崎#13前田悟にオープンシュートを決められた。

リードを広げられた横浜BCは、#9森川正明がファストブレイク、#30須藤昂矢も3pで続くが、62-79と17点ビハインドで3Qを終了。4Qに入ってもペースを乱さなかった川崎は、11-11でまとめて、横浜BCとの開幕2連戦を連勝で終えた。

一つのミスでズルズルいってしまうのが現状

写真提供:横浜ビー・コルセアーズ

この試合で勝敗を分けた場面は、3Qの序盤であることに間違いない。古牧が前半の2Qにおいて、ディフェンスで存在感を発揮し、チームのペースを取り戻したまでは良かったが、横浜BCは後半に入って、ファウルトラブルから自分たちのペースを乱してしまった。

昨シーズンまでの横浜BCであれば、古牧を後半最初から投入していたのかもしれない。しかし、横浜青木勇人HCは、スタート5を後半でもそのまま起用した。

「フィジカルに戦ったところ、フリースローでかなり相手に点を取られた。34点取られてしまえば、追い付くのは難しいのが、チームの現状」と3Qの出だしを振り返った。

そして、古牧の投入は3Q残り2分26秒。少し遅いなという印象を持つ。

「2Qは古牧がディフェンスで存在感を出してくれた。3Qで古牧を出したタイミングは当初のプラン通り。選手の組み合わせを考える上で、それぞれ得意なプレーがある。スリーなのか、ハンドラーなのか。(古牧選手を出した)あの時間を目安に、ワンストップ欲しかったところで(古牧を)起用しようと。3Qの前半は得点が欲しい時だったので、ちょっと難しい起用になった」と青木HCは、選手の起用意図を明かす。

試合展開は、前半から点の取り合いになっていた。「点の取り合いになると、息切れが心配される」と青木HCは警戒感を持ちながら、この先を見据えて、後半開始でもスタート5の変更をすることは無かった。

「古牧を出すまでに点差が離れてしまった」と、その前に起こったファウルトラブルからの失速が、青木HCをはじめチームとして想定とは違っていたのだろう。コートに立っていた森川は「一つのミスでズルズルいってしまうのが現状」とチームの現在地を認識。「逆境からどう打開をしていくのか。チームとしてどういう雰囲気を作っていくのかが重要」とこれからの課題も示していた。

追い込まれた時にステップアップできる選手を探さないといけない

写真提供:横浜ビー・コルセアーズ

今シーズンはまだ始まったばかりである。チームとしてのバスケットスタイルを見つけるために、横浜BCは自分たちのベースに軸足を置き、開幕2連戦を戦っていた。

青木HCは、今シーズンの開幕前から「昨シーズンと同じことをやって強度を上げるのではなく、方法を変えながら強度は保ちたい。昨シーズンはペースが遅い中における失点の少なさだった。オフェンスで点を取るためには、もう少しペースを上げていかないといけない」と方針を示していた。

つまり、GAME2に当てはめると、古牧がディフェンスで存在感を出すだけでは、仮にチームが勝利したとしても、チームのベースは積みあがらず、B1の上位に顔を出すのは難しいという認識だろう。

横浜BCは、B1上位の常連である川崎に対して、自分たちのスタイルがどこまで通用するのかを試していたのかもしれない。3Qのファウルトラブル以外は、互角な戦いを演じている。ただ、ファウルトラブルから試合の流れが変わり、それが勝敗を分けるポイントにもなってしまった。

「これからも、こういうクォーターは出てくるはずなので、そういう時にステップアップしてくれる選手を探さないといけない」

チームが追い込まれた時に、状況を打開できる選手の出現が求められる。横浜BCにとっては、それを認識させられた「神奈川ダービー」となったようだ。

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