【Bリーグ第8節】東京Zキャプテン久岡幸太郎が語る「チームディフェンス構築と世代間ギャップの克服」

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バスケットボール
©マンティー・チダ
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文 マンティー・チダ

BリーグB2に所属するアースフレンズ東京Z(以下東京Z)は22日、大田区総合体育館で山形ワイヴァンズ(以下茨城)と対戦し63-89で敗れた。

前日も71-79と接戦を落としており、これで6連敗。

11月に入ってまだ1勝もできていない東京Zだが、なぜこんな状況に陥ってしまったのだろうか。

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立ち上がりから思い切った作戦を仕掛けるが・・・

22日のGAME2は、#40ドゥレイロン・バーンズを今季初めてポイントガードに据えて試合に臨んだ。

正規のポイントガードを起用せずビッグラインナップとしたが、山形#22ランス・グルボーンに3本の3pを決められ、出鼻を挫かれる。

東京Zも#10岡田優介の3pなどで8-9と1点差に詰めるが、山形#37河野誠司のジャンパー、#17飯田遼にも3pを入れられ11-16と引き離される。

東京Zはタイムアウトをコールした後、今度は一転して#2栗原翼、#17綿貫瞬といった正規のポイントガードを起用し、さらに#14久岡幸太郎もコートに入れてスリーガードとした。

しかし、流れを取り戻すことはできず、グルボーンにブザービーターとなる3pを沈められ13-20とされて1Qを終了する。

2Qに入ると、東京Zは序盤で#20イシュマエル・レーンのシュート、栗原のレイアップで何とか喰らいつくも、その後はシュートを落とす。

その間で山形グルボーンに速攻を許すなど、21-33と点差をさらに広げられた。

オフィシャルタイムアウトを挟んでも、山形にじわりじわりと引き離され、28-45とされて前半終了。

後半立ち上がり、東京Zはゾーンディフェンスを仕掛けるが、河野と#1中島良史に外郭から3pを許して先手を奪われる。

悪い流れはなかなか変えられず、3Q終了時点で46-66と山形に20点ビハインドとされた。

4Qに入っても山形の優勢は変わらず、東京Zは63-89と山形に完敗した。

チームディフェンスができていない

GAME1では接戦で敗れていたが、22日のGAME2は良いところ無く敗戦。

相手の山形は、東京Zと対戦するまで4勝9敗と下位に低迷していた。

GAME2はスタートからバーンズをポイントガードに起用して、ミスマッチを突こうとする。

タイムアウト明けには、正規のポイントガード2人(後に久岡も入れてスリーガード)を起用して、試合開始の時から大きく戦術を変えていた。

「バーンズのポイントガード起用は、当初から構想にありました。スリーガードも久岡がまだ万全ではないということもあって」と東京Z東頭HCは話すが、声のトーンも低くショックを隠し切れない。

試合を見る限り、戦術の問題ではないかと考えていた。

ただ、時間が経過しても好転しない状況から、もっと違うところに敗因があるのではないかと推測するようになる。

「どうにか立て直したい」と試合後に東頭HCはコメントするが、この日の負け方を見て「立て直せばよい」という感じでもなさそうに思えた。

今シーズンからキャプテンを担う久岡は、この試合について「戦術云々の前にできることがあった。受け入れてはいけない結果」と厳しい表情で第一声を発する。

久岡は山形戦から戦列に復帰していた。GAME2では1Q途中からコートに入り、栗原、綿貫とともにスリーガードの一員としてプレーしていた。

「試合開始前に東頭HCからスリーガードをするという指示があったので、準備はしていました。ガードがたくさん入るため、どこからでもピック&ロールができる」とその場面を振り返る。

そこから2Qの前半にかけてシュートが落ち続け、次第にターンオーバーも増えていった。

「今節は特に前半でケアレスのターンオーバーが多く、角度を変えればシュートも入っていた。これは個々の問題で、それぞれに迷いも見えますが、どこのチームでもあることですから」

久岡は冷静に攻撃面の分析をするが、それよりも「ディフェンスが重症」とした。

「チームが目指しているディフェンスは東頭さんからすればできていないので、点を取られている。僕たちもやろうとしているけども、相手に穴を突かれてやられてしまう」とそもそもチームディフェンスができていないことを課題とした。

ただ「1対1のディフェンスはそんなに弱いチームとは思わない」と個人のディフェンススキルに関しては問題としなかったが、選手それぞれの微妙な感情の動きが「迷い」を生じさせていたようだ。

「チームディフェンスとなった時にたくさんルールがある中で、全部言われたとおりにやると守れない。試合中は相手の動きがすべて同じというわけではないので、そういう部分でうまくいっていない」と久岡は話す。

前回の試合でこう指摘されたからとその通りに守っていたが、相手チームはその時と違う動きをしているため、そこに穴ができてしまっているというのだ。

相手チームも前回と同じ動きをして勝てるわけがないと考えているため、違う動きをするのは当然である。

「僕たちが見失っていけないのは、勝つことがゴールであること。そのためのプロセスとして戦術がある。例えば強く怒られたことに対して『そうしないといけない』と思い過ぎてしまっている。確かにそう言われたけど、勝つためにはこうという意思を選手から出しても良いと思いますし、それをチームで共有しないといけない。一方でそれをみんなでやりすぎてしまうと、バラバラになりますから。そこのバランスは声掛けでやっていかないといけないのですが、難しいですよね」

久岡は、チームが抱えている問題を率直にコメントした。

プロ選手として勝つためにどうすれば良いか、常に考えておかないといけない。

これが解決できれば前に進むと思われるが、実はもう一つクリアしないといけない問題があった。

それが「世代間ギャップ」である。

ベテランと若手を繋ぐ役割は難しい

今シーズンの東京Zは平均年齢が27.2歳。B2東地区では青森に次いで平均年齢が低いため、若いチームという表現ができる。ここで改めて年齢構成を確認したい。

23歳以下の選手が久岡をはじめ6人在籍しているので、確かに平均年齢は若いチームだと言えるが、実績のあるベテランも所属。

岡田は元日本代表として日の丸を背負って数々の実績を残し、綿貫はbjリーグ時代から京都・大阪と8シーズンに渡ってトップリーグで戦ってきた。

バーンズもbjリーグ時代に所属した横浜やB2西宮で優勝経験があり、日本のプロリーグで10シーズン送っている。

数々の修羅場を乗り越えてきたベテラン勢に対して、若手は能力があるとはいえプロに入ってからまだ多くても3年目までしか経験がない。

久岡も今シーズンで3年目なので、若手のカテゴリーに入るわけだ。

「年の差が離れていて、コートに入っていない時にどのタイミングでどう声がけをすればよいのか」と久岡は、自分のことよりもチームのことを考えるケースが多くなったようだ。

キャプテンだから当然かもしれない。東頭HCからも「あんまりそういうことをしなくて良いから、自分のことをやっていればリーダーになれるから」とアドバイスをもらっているそうだが、久岡としては「チームは勝てていないので、自分が何かしらやらないといけない」と胸中を明かす。

「正直、ベテラン選手からもっと話をしてほしい気持ちはあります。できていないところは言ってほしい。岡田さんはプレーで引っ張るタイプだし、瞬さんは冷静に後ろから動くタイプ。そこで僕は今年の立場的に行きづらい」

久岡はベテランとの経験値の差からなかなか踏み込めていなかったが、最近はベテランと個々に話す機会を増やしているようだ。「全体の場でみんなとコミュニケーションを取れたりすると良いかな」と前向きにトライする姿勢を見せる。

一方で、若手に対するケアも久岡が積極的にやっていた。

「若手は自分のことでいっぱいで、チーム関係のことが入り切れていない。ベテランの人たちはアクションをしているのかもしれないけど、それに若手が気づけていない。僕も若手ですが、僕より下に5・6人いて、彼らがすごく怒られたときに声をかけて一緒に『頑張るぞ』と言っています」

そして、久岡は個人としてこのような想いを明かしてくれた。

「今シーズン個人としても結果は出したいですが、チームの勝利が一番の結果だと考えています。プレータイムが10分でも勝てば成長できたと思えますから。昨シーズンよりもプレータイムが減って、パフォーマンスも落ちて、チームも負けている。それは自分として納得できないし、無駄な1年になる。だから、オフコートの部分でも年下の選手に声掛けをすることやベテラン選手とコミュニケーションを図ることでチームが良い雰囲気になれば、自分が今日であればプレータイムが19分でも30分ぐらいの価値がある。こういうのは今後のキャリアにもつながると思いますので続けていきたいですが、知識も足りないしわからないのが現状です」

久岡は様々な状況に揉まれながらチームと向き合っていた。自分を犠牲にして、チームのためにベテランと若手の潤滑油的な役割を担う。試合がある以上勝ち負けが発生するため、プロとしては勝利を目指さないといけない。

「今日の負けは戦術だけが原因ではないと思います」

久岡の言葉が今のチーム状況を物語っているのは間違いない。

Bリーグでも屈指の強豪となった千葉ジェッツも、bjリーグからNBLに移ったシーズンに20連敗という不名誉な記録を残したが、このシーズンを土台にして翌シーズンからステップアップに成功した。

他の強豪チームも、どこかで苦しいシーズンを経験して現在がある。

東京Zも今まさにそういう時期ではないだろうか。

「日本代表が世界で勝利することに貢献する。世界に通用する日本人選手を輩出する」というクラブミッションを東京Zは掲げている。

ミッション達成のためにもベテランと若手の融合は必要不可欠だし、その可能性を持つチームだ。

まだシーズンは15試合しか消化していない。

残り45試合、もう成長しかないはずだ。

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