【Bリーグ第22節】横浜が須藤昂矢らベンチメンバーのハッスルプレーから連敗ストップ

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バスケットボール
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文 マンティー・チダ

Bリーグ1部に所属する横浜ビー・コルセアーズ(以下 横浜)は13日、トッケイセキュリティ平塚総合体育館で島根スサノオマジック(以下 島根)と対戦し89-77で勝利した。

平塚開催は10日から開幕し、10日の富山戦は出だしから富山のアタックバスケットに苦しみ、ファウルトラブルから崩れ大敗。

前日の島根戦では4Q中盤まで接戦を演じていたが、#7レジナルド・ベクトンのファウルアウトから島根に引き離されて敗れていた。

島根戦は、得点源の#4ロバート・カーター、ゴール下で献身的なプレーが持ち味の#32エドワード・モリスが負傷により欠場。

スコアメイクや高さの面で不利になることから、GAME1は敗れたが、GAME2ではベンチメンバーのハッスルプレーがきっかけとなり、チームに勝利をもたらしたのである。

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カーター、モリス不在の中でベンチメンバーが力を発揮して勝利に貢献

©マンティー・チダ

GAME1に出場していなかった#18森井健太が、GAME2ではスタート5に起用されるが、試合開始から島根#24デモン・ブルックス、#15白濱僚祐に連続得点を許す。

追いかける展開で始まった横浜は、ベクトンのアシストから#1パトリック・アウダが得点すると、ゾーンディフェンスを敷いていく。

しかし、#6北川弘には3p、ブルックスにはフローターを決められ4-9と島根にリードを広げられた。

アウダがダンクを決めた後のディフェンスで個人ファウルをコールされた後、横浜はアウダから#9森川正明へ選手交代して、スモールラインナップへ。

森川はコートに入ってすぐの得点機会でタフショットを決めると、横浜ベンチは#10アキ・チェンバースから#30須藤昂矢に交代し、さらにサイズダウンを図る。

引き続きゾーンディフェンスを敷くが、白濱に3p、北川には速攻を決められるなど、突破口が見いだせない中、横浜は前半1回目のタイムアウトをコールした。

タイムアウト後、横浜は#0河村勇輝をコートに送り出すと、14-19から河村がスティールを決めて攻撃権を奪い、ここ3試合思うように入らなかった3pを沈めて、終盤にもブザービーターとなる3pを決め、22-25と3点ビハインドとしたところで1Qが終了。

2Q、横浜はここまで個人ファウル2回を数えていたアウダ、2試合連続でファウルアウトによる退場をしていたベクトンをベンチに下げて、インサイドには#81小原翼を起用し、外国籍選手不在のオンザコート0とする。

一方、#7ペリン・ビュフォード、#28ウィリアムス・ニカが起用されるなど、島根には高さの面で分があった。

横浜は形勢不利な状況だったが、須藤がジャンパーで先制し、チェンバースもバスケットカウントを決めて逆転に成功すると、ディフェンスではフロントコートからトラップディフェンスを仕掛けて、島根に得点を許さない。

その後、#5山下素弘と#13阿部諒の連続得点から島根に逆転を許すが、横浜は#46生原秀将をコートに戻して、河村とのツーガードにし、森川がジャンパーを決めて同点とする。

#1後藤翔平のドライブ、#8リード・トラビスのジャンパーで、横浜は島根に4点リードされる展開で残り6分35秒タイムアウトを請求するが、2Q開始から2分25秒で外国籍選手を休ませることに成功した。

ベクトンとアウダをコートに戻した横浜は、アウダのオフェンスリバウンドから森井が3pを入れて1点差まで詰めていく。

オフィシャルタイムアウト明けからウイリアムスにバスケットカウントを決められるなど、島根に点差を広げられるが、ベクトンのジャンパーをきっかけに、最後は生原が3pを沈めて43-39と逆転し前半を折り返す。

後半に入り、横浜はアウダのポストプレーから得点を重ねて、50-41とリードを広げる。

しばらく拮抗した展開が続き終盤を迎えると、横浜はアウダから小原にスイッチし再び外国籍選手なしのオンザコート0の体制とした。

しかし、ビッグラインナップを組んでいた島根がビュフォードの3p、トラビスのバスケットカウントで一気に差を詰めて、57-54と横浜3点リードで3Qを終える。

4Q、スモールラインナップを敷く横浜は、出だしからベクトンがタップショットを決めると、生原が3pを2本連続で成功させ、さらにアウダのレイアップ、ベクトンのダンクで一気に引き離して69-57としたところで島根がたまらずタイムアウトを請求。

一時は島根ブルックスにフリースローや速攻で7点を奪われて接戦に持ち込まれそうになるが、横浜はベクトンがバスケットカウントを決めて、島根へ流れが傾きそうなところを食い止める。

終盤にかけても攻め続けた横浜が89-77で島根を下して、連敗を2で止めた。

森井健太のスタート起用から早いローテーションで回してベクトンのファウルトラブルを回避

©マンティー・チダ

カーター、モリスと欠きながら、島根に勝利した横浜。

カイルHCは、前日出場してなかった森井のスタート起用をはじめ、幅を利かした采配をする。

「今日の試合はチームの理想としていた勝ち方だった」と試合後の記者会見で満足そうな表情を浮かべながら、カイルHCは総括。

1週間で5試合を消化しないといけない中、さらには平塚開催では富山に不甲斐ない敗戦を喫するなど、勝ち星なしでこのシリーズを終えるわけにはいかなかった。

まず我々を驚かせたのは、森井のスタート起用。

前日のGAME1では試合に出場していなかった。

スタート起用となれば、2020年12月2日のSR渋谷戦以来。一体何事かと思われたブースターも多かっただろう。

「毎試合スタート5をどうしようかと考えている中で、森井をスタートから起用したのはディフェンスでプレッシャーを掛けたかったから。(これまでスタート5を担ってくれていた)森川のパフォーマンスが悪いという意味ではありません。できるだけコートにサイズ感のある選手を残したいという理由からこのようにしました。森井は彼自身がやるべきこと、やらないといけないことであるハードなディフェンスやオープンショットを決め切ることでチームの勝利に貢献してくれました。この日の勝利における大事なピースの一人でした」とカイルHCは森井の起用意図を明かす。

森井がハードなディフェンスでチームにエナジーをもたらしたことにより、チームに活気がゆっくりであるが蘇ってきた。

©マンティー・チダ

インサイドの要である、ベクトンが試合の最後まで存在感を発揮できたことも大きい。

水曜日の富山戦は試合序盤で受けたオフェンスファウルからリズムを崩して、相手のインサイドアタックにファウルでしか止められなくなり、3Q早々にはファイブファウルで退場していた。

前日の島根戦でも、4Qまでチームとして競った展開だったが、ここでもファウルアウトとなり、チームは敗戦。

「シーズンの序盤からファウルトラブルに陥ることが多く、それによりチームのサイズやエナジーが落ちてしまうことがありました。現在、カーターやモリスが怪我なので、長く出場しないといけないのですが、プレータイムが多くなればなるほどファウルトラブルになる可能性はあるので、できるだけ早いローテーションで回していました。疲労もある中で、今日はファウルアウトをしないで最後まで頑張ってくれたのは、とても誇りに思います」とカイルHCはベクトンを称える。

選手が活躍できる環境を整えたことで、試合に勝利することができたようだ。

スモールラインナップで須藤昂矢をはじめとしたベンチメンバーが奮起し、アウダとベクトンを休ませることに成功

©マンティー・チダ

そして、この試合で一番びっくりさせられた場面があった。

2Qに入り、横浜はアウダとベクトンをコートから下げて、日本人ビッグマンの小原を起用し、外国籍選手なしのオンザコート0を敷いてきた時である。

サイズ的にも横浜には不利と思われたが、オンザコート0を敷いていた2分25秒の時間で7-8とほぼ互角な試合運びとしたことで、アウダとベクトンを休ませることに成功したのだ。

敵将の島根河合竜児HCにしてみれば、ここで「イニシアティブを取りたかった場面」のはず。

「横浜の日本人選手がこれまで4試合対戦した中で一番ハッスルしていて、すごくアグレッシブにプレーをしていた。オンザコート0でも機動力を生かして勝ちたいという気持ちから、こちらの足が止まってしまった。高さのアドバンテージを生かしたい場面でしたが、機能できなかった」と河合HCが悔やむほど、この時間でコートに立っていた横浜の選手からは大きなエナジーを感じた。

小原もリバウンドで貢献していたが、誰よりもコート上で気持ちを見せていたのが須藤だった。得点こそ2Q開始早々でシュートを決めた2点のみだったが、味方のシュートが外れた瞬間、後方から大きな跳躍で飛び込んだリバウンドからは相当な闘争心が見えてくる。

「高さの部分では勝てないので、みんなでカバーしながらファウル無しでチームディフェンスができるのかを意識してプレーしていて、本当にやるしかないという気持ちでした」と形成不利な状況ながら、須藤はディフェンスに集中していた。

「チームからもけが人が多いので、スモールラインナップで行く」とチームから事前に言われていたこともあり、準備万端でコートに入る。

水曜日には富山に出だしから圧倒され、金曜は島根に終盤引き離された。「気持ちで負けないように」と須藤は強い気持ちで試合に集中し、けが人が多いチーム状況ながら勝利に貢献した。

「けが人も戻ってくるでしょうし、2週間の練習でさらにチームディフェンスなど突き詰めてやっていきたい」

サイズが不利でもチームディフェンスに集中したことで、チームは勝つことができた。須藤をはじめとする、この時間に出場していた選手たちは、この日の試合で経験できたことを無駄にせず、さらに成長してほしいものだ。

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