【Bリーグ第20節】東京Zが西宮に敗れて16連敗、スモールラインナップから活路を見出せるのか?

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バスケットボール
©マンティー・チダ
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文 マンティー・チダ

BリーグB2に所属するアースフレンズ東京Z(以下東京Z)は7日、大田区総合体育館で西宮ストークス(以下西宮)と対戦して69-86で敗れ、昨年12月から16連敗となった。

前日からコンディション不良の#52アレクサンダー・ジョーンズに加えて、#33カイル・バローンも同様にコンディション不良、#8紺野ニズベット翔が前日の試合中に脳震盪を発症したため大事を取って欠場を発表。

ビッグマンが3選手不在で、かつ外国籍選手も#32ナンナ・エグーだけという苦しい台所事情の中で、東京Zは試合に臨んでいた。

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2試合連続で後半の出だしにつまずき完敗

東京Zは試合開始から好スタートを切る。

#14久岡幸太郎のポストプレーから外に走りこんでパスを受けた#10岡田優介が3pを沈めて先制すると、#4ケイン・ロバーツが自ら突破してレイアップ、エグーが3p、岡田もディープスリーとなる3pを入れて、11-3と大きくリード。

さらにGAME2 でスタート5に名を連ねた日本人ビッグマンの#13坂井レオが、西宮#18デクアン・ジョーンズのドライブを止める好守備を見せると、久岡が3pとカットインで5点を稼ぎ、17-5と西宮に対して試合を優勢に進める。

しかし、#8濵高康明のスティールから流れは西宮へ傾く。

#22シェイク・ムボシに得点を許し、ムボシのジャンパーなどで19-17と2点差まで詰められた後、東京Zは坂井にアンスポーツマンファウルとなる2回目の個人ファウルがコールされ、ベンチに下がる。

ここで#24髙木慎哉がコートに入り、スモールラインナップを形成し、ゾーンディフェンスを敷いていった。

西宮ジョーンズに3pを決められて逆転を許すが、Q最後にモーションプレーから髙木が得点し、東京Zが23-22と再逆転に成功して1Qが終了。

2Qに入ってもスモールラインナップを継続した東京Z。

#21増子匠と東頭俊典HCにテクニカルファウルがコールされて、チーム内に不穏な空気が流れるものの、途中からコートに入っていた#17綿貫瞬が要所で得点をし、西宮へ簡単に流れを渡さない状況を作る。

その後、東京Zは久岡にオフェンスファウルがコールされ、西宮ムボシにバスケットカウントを決められるなど34-40と引き離されそうになるが、綿貫がジャンパーで応戦する。

終盤、フロントコートからゾーンディフェンスを敷くなど、アグレッシブな守りを見せるが、最後は西宮#1今野翔太に3pを入れられ、41-45とされて前半を折り返す。

前半終了時に何とか喰らいつきながら、4点ビハインドで持ちこたえた東京Zだが、後半出だしからターンオーバーやオフェンスファウルがかさむ。

その間、西宮に得点を稼がれて、残り6:46のタイムアウトを挟み、ゾーンディフェンスを敷く。

しかし、西宮ジョーンズに連続得点を許すなどディフェンスが機能せず、東京Zは残り5:28に前半2度目のタイムアウトをコール。

この時点で43-59と16点ビハインドの展開となった。

終盤、坂井から綿貫へ交代してスモールラインナップとすると増子が3pを連続で決めるが、ビハインドを取り戻すところまでにはいかず、54-68で3Qを終える。

4Q、東京Zはスモールラインナップを継続。

序盤こそ互角に戦うが、西宮との点差は徐々に広がっていく。

Q中盤からプレッシャーの強度を上げるが、得点を稼ぐところまでいかず試合は終了。

69-86で東京Zは西宮に敗れた。

スモールラインナップでもやるべきことができれば・・・

この2試合を見て、スコア的にも東京Zの完敗だ。

16連敗中と勝ちに恵まれず、チームとして状況は良くない。

西宮とのGAME1を30点差で敗れたところから、ジョーンズに加えてバローン、紺野といったゴール下で体を張る選手が3人不在となれば、GAME1よりもさらに厳しくなることは予想できていた。

GAME2は完敗であったが、途中のプロセスからスコアほど完敗ではないように見受けられる。

それを象徴するシーンが2Qにあった。

1Q終盤で、ビッグマンの坂井が個人ファウル2回目となるアンスポーツマンファウルを宣告されてベンチへ下がり、インサイドの選手がエグーのみとなってしまった。

一方の西宮はジョーンズ、#5マット・ボンズ、ムボシがタイムシェアをしながら、外国籍選手が常時2人オンコートしている。

そのため、東京Zは数的にもサイズ的にも不利な状況でこの時間を戦っていたのだ。

これまでの東京Zであれば、このような状況に陥ると一気に崩れてしまい、その後の浮上さえ無かった。

しかし、西宮とのGAME2では、坂井から髙木に変更してスモールラインナップからゾーンディフェンスを敷くと、例えシュートが入らなかったとしても大幅に崩れることはなく、出場できる選手たちだけで粘りを発揮したのだ。

「昨日もソーンは効いていました」とは東京Z東頭HC。

「ハイポストにフラッシュするプレーがあって、それだけはスカウティングをしていました」と東頭HCの目からは見えていたが、それをGAME1では生かせていなかった。

そして、GAME2。

「1Qはシュートの確率が相当高かったので、出来すぎです。今日は特に綿貫がディフェンスで奮闘してくれた。岡田も最初引っ張ってくれて、増子も途中から頑張ってくれた。昨日は若手、今日はベテランが奮起してくれたので、あとは僕がそれを融合させないといけない。融合させようと考えた時点で、故障などから選手が戦列から離れていく。まだ25試合あるので、良い時間を踏まえながら、今までとは違う自分たちを見せられるようにしたい」

東頭HCはGAME2をこう総括する。

「よく戦ったところはある」と評価をするが、2試合続けて後半の入り方に苦戦。

「3Qの入り方さえきちんとできれば、勝ちがあったと思う」と考えるのは当然のことで、そこさえクリアできればという段階までチーム力は上がってきた。

「オフェンスは良くなっている。オープンショットは佐賀戦から打てているし、今日は外国籍選手が居なくてもシュートを打てていた。今日の方がシュート確率は良かったと思うし、これができれば」と手ごたえを口にするが、2試合連続で後半の入り方が良くないとなれば、チームに欠けている部分もあり、改善次第では進化できる余地もあるということである。

いずれにしても、東京Zはスモールラインナップから活路を見出したようだ。

「選手が揃うまで、どうやってチームを作っていくのか、揃うときにどうなるのか、揃うために何をしないといけないのか、休んでいる人もしっかりコンディションを整えないといけない」と東頭HCはチームにこう話す。

チーム全員がやるべきことをしっかりやれば、おのずとチーム力は上がるはずだ。

「試合へ出られることが幸せで楽しい」増子匠

©マンティー・チダ

「昨シーズンはキャプテンをやってくれたし、彼にはもっとうまくなってほしい」と東頭HCが期待をかけるのは、昨シーズンまで東京Zに在籍し、先日信州から期限付き移籍で途中加入した♯21増子匠だ。

「世代的にもベテランと若手の間となる。岡田がボールを欲しがっても無視してシュートを打つなど、フランクな部分があるから」と東頭HCは続ける。

途中からチームに合流して7試合目。

ここまで4試合で2桁得点と得点面でチームに貢献するが、東頭HCは「運動量と野生の勘で勝負できる選手。

オフェンスはより精度を高くし、ディフェンスはもう少し猛々しさを出してほしい」と増子に期待を込めて注文をつけた。

増子はチームに再加入後、ローテーションの一人としてチームをけん引し、GAME2ではチーム最多の19得点を獲得している。

そのうち14得点は、チームとして苦しい時間帯だった後半で稼いだものだった。

「後半からミスが重なって点差が離されたので、僕が得点面で引っ張ればとプレーしていました。結果が出たので良かったです」

シーズン開幕当初こそ信州でプレータイムを確保していた増子だが、12月に入ってからはプレータイムも激減。

「苦しい部分がありましたけど、試合へ出られない以上に得られたものも多くありました。信州でB1の舞台を経験できたことは自分にとってもプラス。今は試合へ出られることが幸せで楽しいなと率直に思います」と増子は話す。

「チームを勝たせたいと思うことはこれまでと変わりませんし、勝たせたいと思って戻ってきました。オンコート、オフコート共にすべての面でチームを引っ張って、まとめ役になっていきたい」

増子は厳しい環境を経験したことで、自分の役目を自覚していた。

若手とベテランの間で潤滑油となれば、チームとしてもう一段ステップアップできるはずだし、それが出来ないとより一層チームとしても厳しくなるだろう。

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