【ラグビーNTTリーグワン第1節】東京SGが府中ダービーを勝利、現役NZ代表ダミアン・マッケンジーがキックで観客を魅了

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ラグビー
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文 マンティー・チダ

ラグビーリーグワン、東京サントリーサンゴリアス(以下東京SG)は1月8日、味の素スタジアムで東芝ブレイブルーパス東京(以下BL東京)とのホーム開幕戦を迎えて60-46とし、名門同士の府中ダービーを勝利で飾った。

注目されたニュージーランド代表のダミアン・マッケンジーは、キックで詰めかけた観客を魅了。25得点を稼ぎ、チームの勝利に貢献した。

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BL東京が府中ダービーを制して、ホーム開幕戦を勝利

©マンティー・チダ

東京SGは、前半3分にCTB中村亮土からパスを受けたWTB尾崎晟也が右隅にトライを決めて幸先よくスタートするが、8分にはBL東京の激しいアタックで東京SGが押され気味となり、LOワーナー・ディアンズのトライなどで逆転を許す。

その後はBL東京が先行し、東京SGは追いかける展開となり、24-27で東京SGが3点ビハインドとして前半を折り返した。

後半、先にチャンスを迎えたのは東京SGだった。4分、敵陣22m付近でマイボールスクラムを獲得すると、ブレークダウンから最後はNo.8ショーン・マクマーンが逆転のトライ、FBダミアン・マッケンジーもコンバージョンキックを決めて、東京SGが4点リードとする。

9分には、BL東京のペナルティより、タッチキックから敵陣インゴール前でラインアウトを獲得すると、SG東京はラインアウトモールから再びマクマーンが押し込んで、この日3個目のトライを獲得した。

13分には、BL東京にボールキャリーで敵陣深くまで入り込まれると、LOジェイコブ・ピアスのトライなどで2点差まで接近を許すが、20分にBL東京がハーフウェイライン付近でノットリリースザボールをコールされると、東京SGはペナルティゴールを選択。

マッケンジーが、ハーフウェイラインからのロングキックを決めて、BL東京との点差を5まで広げた。その後は、途中出場の齋藤直人、デビタ・リーのトライなどでBL東京を一気に突き放す。

終盤BL東京に得点を返されるが、60-46で逃げ切り、府中ダービーとなった開幕戦を勝利。なお、マン・オブ・ザ・マッチには、3トライをあげたマクマーンが選出された。

基本的にはどういった場面でも同じルーティン

前半の序盤はむしろBL東京のペース。激しいボールキャリーに合い、東京SGはBL東京にトライで失点する場面が続く。しかし、SG東京は最小点差で喰らいつき、前半終了時点でビハインドを3点までにとどめていた。

©マンティー・チダ

その立役者は、現役バリバリのニュージーランド代表で、オールブラックスのキャップが40を数えるマッケンジー。

2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップには、その年の4月に膝前十字靭帯断裂を痛めた影響から出場が叶わなかったものの、世界屈指のラインブレイカーはキックで見せ場を作った。

©マンティー・チダ

東京SGは前半に敵陣22mエリアへ侵入し、BL東京からペナルティを獲得すると、迷うことなくペナルティキックを選択。そこでキッカーとして登場するのが、マッケンジーである。

前半5分のコンバージョンキックは外してしまうものの、マッケンジーはペナルティキック5本、コンバージョンキック5本を決めて、この試合だけで25得点を稼いでいた。

前半にBL東京からトライを決められてリードを許しても、直後の攻撃で敵陣に入ってペナルティを獲得すれば、迷わずペナルティキックを選択。これを確実にマッケンジーが決めることで、SG東京はBL東京に喰らいついていく。

©マンティー・チダ

前半37分には、BL東京SOトム・テイラーにトライを奪われて21-27とされた後、敵陣でSG東京はペナルティを獲得したものの、マッケンジーがここで選択したペナルティキックを外した。

しかし、ラストワンプレーを意味するフォーンが鳴り響いた後、敵陣10mを過ぎたあたりでBL東京のオーバーザトップからペナルティキックのチャンスを得ると、これをマッケンジーが決めて3点ビハインドにして前半を折り返している。

後半に入っても、マッケンジーはハーフウェイラインからBL東京を突き放すきっかけとなったペナルティキックを成功させており、3トライを決めたマクマーンよりもグラウンド上では存在感を発揮していた。

©マンティー・チダ

「緊張感というよりは、より楽しみにしていたという感覚が強い」

マッケンジーは開幕戦を勝利で飾った後、記者会見で試合の感想を求められ、こう返した。そしてキックについては「もう少し決めたいと思っていたキックもあったので、100%満足しているわけではないですが、良いキックは出来た」と評価する。

キックをするまでのルーティンについては「何年もずっとやっていることですけど、自分がリラックスした状態でゴールキックが蹴られる」とそこでみせる笑顔について、マッケンジーはその理由を明かした。

前半の最後や後半のハーフウェイラインから決めたペナルティキックのルーティンについて尋ねてみると「基本的にはどういった場面でも同じルーティン。ボールをティーの上で少しアジャストしているときがあるので、そういう時は少し長くなってしまうことがある」とどんな場面においても、キックまでのルーティンを変えていなかった。

マッケンジーはキックで魅了した反面、もう一つの持ち味である鋭いランについてはやや影を潜めることになる。

「日本のスタイルはスーパーラグビーよりもペースがはやいので、そこへのアジャストは必要」とマッケンジーは自らに課題を示す。一緒にグラウンドでプレーしていた中村は「彼にはフィールドで自由に動いてほしい。僕らが彼にアジャストできていない部分もあるので、彼の特徴を把握して、良いコンビネーションをしていきたい」と周りの選手がマッケンジーにアジャストする必要性を強調した。

「ダミアンは気さくでなじみやすい人柄」とした中村。アタッキングラグビーを信条とするSG東京にとって、マッケンジーのランが随所に見られるようになれば、強さはより本物になっていくのだろう。

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