文・写真 マンティー・チダ
日本人で得点源になれる選手が現れるのか。
横浜は昨シーズンも開幕からディフェンス重視の戦術で試合に臨んだが、攻撃面であと一歩及ばずに得点ができず、その影響からディフェンスも崩壊し、シーズン途中でHCが交代することになってしまった。
チームの歴史上でもこれが初めてではない。
今シーズンはそういう流れにしたくないところだが、強者ぞろいの東地区で勝ち星を重ねるのはそう簡単な話ではない。
劣勢時に試合の流れを変えるためには、印象に残る場面が必要だ。
そのうちのひとつである3pシュートはチームの得点が増えるだけでなく、コート上の印象度も大きく変わる。
そんな可能性を持つのが、今季2年目を迎える#22秋山皓太だ。
昨シーズンはルーキーとして迎え、開幕前に京都とのプレシーズンゲームで15得点とし、チームへのアピールに成功していた。
「多分名前も知られていなくて、オープンシュートが多かったので普通ですね」
当時、秋山は私の質問にこう答えていた。
確かに東海大学時代は最上級生であっても、1年生がスタート5を形成し、秋山はベンチから途中出場し、シックスマンに近い役割だった。
実際レギュラーシーズンに入ると、一時は2桁得点でチームに貢献していた時期もあったが、終盤になるとプレータイムも少なくなり、3pシュートの試投数も減少したまま、コロナ渦の影響でシーズンも途中終了する。
「もうやるしかないですから」
そして迎えた2年目、秋山は合同練習会のスクリメージに臨む。
前半2本目から出場した秋山は、表情がすごく良く自信をもってプレーをしていた。
実際、3pはおそらく5本沈めて、決定率も高い結果となり、順調な仕上がりぶりを見せてくれた。
合同練習会終了後の会見で秋山に表情が良かったことを伝えると「表情が良かったのかはわからない」とした上で「体の状態も良くて、チーム内のコミュニケーションもきちんと取れています」と手ごたえを感じていた。
「意外とリフレッシュできて、コンディションも例年より良い。早い段階から準備もできましたし、怪我もない」とここまでは順調そうである。
昨シーズンの反省から「この時期の過ごし方も大事にしている」とステップを自分なりに踏んでいた。
山田AGM兼ACも秋山について「3pについてはチームの武器になるので、今後もコンスタントに決めてほしい」と期待をかける。
「日本人だけでどこまで完成度を上げられるのか、その上で外国籍選手とどう融合するのか、課題を明確にしながらコミュニケーションを図りたい」
秋山は開幕までのステップをこう話した。
「もうやるしかないですから」
ステップを成し遂げるためにも、秋山にはぜひポイントゲッターとして横浜の顔になってもらいたいところだし、彼の活躍如何ではチームに大きな変化をもたらす可能性もあるはずだ。