【Bリーグ第9節】東京Zが若手中心の編成で仙台から1勝、前夜の屈辱的な敗戦から掴んだものとは?

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バスケットボール
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文 マンティー・チダ

BリーグB2に所属するアースフレンズ東京Z(以下東京Z)は29日、大田区総合体育館で仙台89ERS(以下仙台)と対戦し74-71と逆転勝利。

11月最終戦で約1か月振りの3勝目を手に入れた。

今節はこれまでスタート5に名を連ねるなど、チームを支えていたベテランの2人#10岡田優介、#17綿貫瞬がコンディションを考慮して試合を欠場。

今シーズン初めて2人がコートにいないということで、キャプテン#14久岡幸太郎ら若手を中心に編成される。

GAME2の29日は後半に逆転し、久岡がチーム最多でシーズンハイの20得点をあげて勝利に貢献したが、前日のGAME1では65-107と屈辱的な敗戦を喫していた。

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GAME1は「不甲斐ない試合」

そのGAME1は、東京Zにすれば本当に「不甲斐ない試合」だった。

試合開始から東京Zは#24髙木慎哉や久岡の3pで得点を重ね、仙台と互角の勝負を演じていたが、残り3分13秒に#2栗原翼をコートに入れて、久岡とツーガードを組ませたところから流れは仙台へ。

髙木から#32ナンナ・エグーへパスが通らなくてターンオーバーになると、仙台#21エリック・ジェイコブセンにゴール下から決められる。

その後、東京Zは仙台にゴール下を制圧され、1Q終了時点で17-27と仙台にリードを許して終える。

2Q、トランディションオフェンスやゾーンディフェンスで仙台を追い詰める東京Zだったが、仙台#7澤邉圭太に3pやファストブレイクなど終盤だけで7点を稼がれ、34-48と仙台に差をあけられて前半終了。

後半に入っても仙台ペースで試合は進み、3Q終盤から澤邊に連続で3pを決められると、4Qに入っても仙台のベンチメンバーを中心に得点を入れられ、65-107と東京Zは仙台に大敗を喫した。

試合会場となった大田区総合体育館では、コロナ禍でもブースターが詰めかけて、チームの勝利を待ち焦がれていた。

厳しい試合を最後まで見届け激励の拍手も起こったが、試合の途中で席を立ち、帰路に向かうブースターの姿もあった。それぐらい厳しい試合だった。

もちろん、チームとして厳しい結果を受け止めなければならない。

若手中心に編成したとはいえ、ファンもチームも結果を求めていることに間違いはない。

東京Z東頭俊典HCはGAME1の試合後記者会見で、こちらが思っていた以上のトーンでチームの現状を淡々と話す。

前節の山形戦後のような深刻な感じではなかった。

「GAME1の収穫はたくさんあった」東頭俊典HC

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「最後のところは不甲斐ないですが、選手は必ず応えてくれると思います」

こう切り出した東頭HCは、仙台こそ目指すチームだとする。

「チームでやろうとしていることを徹底しているし、精度が高い。若手もベテランも入れ替わりで自分の仕事をする」と分析。

#5ダニエル・ミラーやジェイコブセンはリバウンド、澤邉や#26金城茂之といったベンチメンバーもアウトサイドから3pを狙いに行く。

実際にGAME1ではそれぞれ4本の3pを決めていた。

こういう論調になると、ついつい悪い部分を見てしまいがちだが、東頭HCにはあえて「今日の収穫は何でしょうか」という質問を投げかけてみた。

すると、意外なことに「収穫は正直たくさんあった」という答えが返ってくる。

「久岡がボールを運べなかったこと。栗原が相手に潰されたところできちんとやり返したこと。ベテランがいれば、どうしてもプレータイムが少なくなる。少なくなる分ひるむところが、時間帯によっては良い時もあった。栗原はファウルを重ねてしまい、リングから20mぐらい離れているところでファウルをしていた。そこはずっと言っているところで、本人としても直さないといけない部分と試合で分かった。良さと弱点は裏合わせで、そういうところが結構多いし、伝わったのかなと思います。そこさえ超えることができれば、違うところにいけるはず」と東頭HCは続ける。

この試合で久岡と栗原はターンオーバーを3つ数えていた。

ボールを運ぶ途中でスティールを取られたりする場面も多く、2人にとっては課題を突き付けられる試合となった。

そして、東頭HCはGAME1で一番引き離された3Qの終盤についてもこう分析する。

「(ボールスクリーンのディフェンスで)こちらがアンダーした瞬間、笹倉や澤邉にジャンプシュートを決められていた。2人ともそこが得意ではないけれど、入れないと試合に出られないし、B1に行けないというプレッシャーで取り組んでいる。こちら(東京Z)では試合に出られるので、そこに対して取り組む姿勢が全然違う」と若手へ意識改革を伝えようとしていた。

「最近はかなり自主練習も頑張っているので、うまく上がってきてほしい。そういうものが出た時間帯もある。ただ、そこで満足しているところがあって、B2トップクラスやB1の選手は同じ年齢でも全然違うことをわかってほしい。ここはそういう環境ではない。試合に出られないから頑張るのではなく、プロ選手として最高の自分になるために取り組まないといけない。苦手なものは克服するべきだし、得意なものをどうやって出していくのかは、自分で死ぬほど考えないといけない」

シーズン開幕当初、岡田はチームに足りないものを「経験」だとした。

長い時間コートに立つことで、今まで見えていなかった景色が見えることもあるだろう。

東頭HCはベテランのコンディションを考慮したとはいえ、若手に大きな経験を積ませていたことは確かだったようだ。

「ボールを扱う上での価値観を若手に与えないといけない」ナンナ・エグー

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では外国籍選手からはどう見えているのだろうか。

チーム在籍2年目を迎えている#32ナンナ・エグーは、堅実にプレーできるインサイドプレイヤーだ。

試合中も、積極的に若手へ声をかけるなどムードメーカーの役割も果たす。

「若い選手と一緒にプレーするときは、いつも以上にリーダーシップを発揮するように心がけています。ミスとかに対して、過敏にならないようにしてあげるのも私の仕事です」と若手に対する気配りを感じ取ることができた。

「若手も良い選手で信じていますし、練習でもよく一緒にやりますので。才能のある選手がたくさんいますから。非常に楽しいしワクワクします」とエグーは若手とともにバスケットができることを素直に楽しんでいるようだ。

その上でこう提言する。

「失敗やターンオーバーを減らさないといけない。良いチームに対してターンオーバーで相手に攻撃のチャンスをプラスで与えない。若手とプレーするときは、全員がスマートに遂行能力を上げて、ボールを扱う上での価値観を若手には感じ取らせないといけない」とチームとして取り組まないといけないことを示した。

東京Zは今節の仙台戦で多くの苦しみからカムバックして勝利するという結果を手に入れた。

久岡をはじめとした23歳以下の若手たちにすれば、一度に「天国と地獄」を味わったようなものだろう。

忘れてならないのは声援を送るブースターの存在だ。

GAME1の屈辱的な敗戦とGAME2の劇的な勝利を共有してくれた。

チームにとってもブースターの想いを感じ取れた2日間ではないだろうか。

もちろん、チームは常に勝ちを目指して、日ごろの練習に取り組んでいるし、今回の勝利は次へ必ず生かさないといけない。

今節欠場した岡田や綿貫は、近日中にコートへ戻ってくるだろう。

若手選手は、今回の経験を自信に変えて決して満足をすることなく、岡田や綿貫ら実績のある選手と融合できないといけない。

この勝利がフロックでないことを証明させるため、応援してくれるブースターのためにも、これからはより一層若手のさらなる成長と密度の濃い試合内容が問われるだろう。

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