文 マンティー・チダ
2年ぶりの春季大会が開幕。
今季は昨秋の成績によって、対抗戦Aの8チーム、リーグ戦1部の8チーム、対抗戦Bとリーグ戦2部の1位チームを合わせた18チームが参加し、上の順位から3チームずつがA~Cのグループに分かれて「対抗戦VS.リーグ戦」という形式で対戦する。
昨年の対抗戦を制した明治大学は、グループAの開幕戦でリーグ戦3位の日本大学とアウェイの日本大学グラウンドで顔を合わせた。
この両校は昨季の大学選手権準々決勝で対戦し、その時は明治大学が34-7で勝利している。
明治大学が金昂平のトライで逆転勝利
激しい風が吹き荒れるなかで、試合は始まった。序盤からハーフウェイライン付近の攻防が続く中、先制したのは風下側に立った日本大学。前半14分、明治大学のオフサイドから得たタッチキックで敵陣ゴール前までボールを進めると、ラインアウトからHO林琉輝がトライに成功して5点を先制する。
追いかける展開となった明治大学は、直後の15分に敵陣22m付近でターンオーバーに成功すると一気に攻勢へ。FB雲山弘貴がトライを決めて5-5の同点とすると、前半36分にはWTB松本純弥がトライ、CTB廣瀬雄也のコンバージョンキックも成功して12-5と逆転する。しかし、日本大学は敵陣10m付近でターンオーバーを成功させると、ランでボールを前進し、PRシオネ・ハラシリがトライを決めて、12-12の同点で前半を折り返した。
後半に入り、日本大学に勝ち越しを許した明治大学は、26分に途中出場のPR村上慎がトライ、CTB齊藤誉哉のコンバージョンキックで同点にすると、33分にはスクラムからSO伊藤耕太郎がブレイクし、齊藤が右サイドを突破してボールを前進させ、最後はこちらも途中出場のWTB金昂平が右端にトライして、これが決勝点。24-19で明治大学が日本大学を下し、今季公式戦の初戦を制した。
フィジカルの強さを発揮した日本大学、春季大会残り2試合でどこまで成長できるのか
両大学とも今季初の公式戦とは思えないぐらい激しくぶつかりあった。
グラウンド上では強烈な風が吹き荒れていて、前半は明治大学、後半は日本大学が風上に立ったものの、その影響をあまり感じさせないぐらい、序盤からハーフウェイラインを挟んだフィジカル戦には迫力さえ感じる。
取られたら取り返すという展開が続き、最後は明治大学が制したものの、お互いに課題が残る結果となった模様だ。
明治大学の田中澄憲監督は「日本大学のファイトが素晴らしかった。こだわっているフィジカルの部分では日本大学にやられていた」と話せば、日本大学の中野克己監督も「通用する部分と通用しない部分が良く分かった試合。まだまだ小さなミスが多い」と共に課題を示している。
FWの強さに定評のある明治大学に対して、日本大学がフィジカルの強さを見せつけたのは今後に向けて大きな収穫だろう。春季大会残り2試合で、日本大学がどこまでチームとして成長を遂げるのか、注目をしておきたいところだ。