文 マンティー・チダ
2年ぶりに関東大学女子バスケットボールリーグ戦を制した東京医療保健大学。昨年は白鴎大学に惜しくも1点差で涙をのみ、関東を制することはできなかった。
「昨年は1点差で負けてすごく悔しい想いをしたので、本当に苦しい時間帯もありましたが、勝てて良かった」と話すのは、2年生の#77岡本美優だった。
全部思い切りだして、4年生に恩返しできるように頑張りたい
昨年もリーグ最終戦の白鴎大学戦で、岡本は16得点をあげていたが、チームはわずか1点差に泣いた。今年も最終戦まで全勝とし、白鴎大学との全勝対決を迎える。
岡本は前半で2本の3pを決めていたが、2Q序盤から白鴎大学に主導権を握られる時間帯においては、シュートを決めることができていなかった。しかし、3Qで#12木村亜美のレイアップから東京医療保健大学のスコアが動き出すと、岡本も3pを3本立て続けに決めて、白鴎大学を大きく引き離すことに成功する。
「(後半で3pを決める前に)#22林真帆が3pを決めてくれて、自分の中で優しく打とうと考えていたら良い感じになり、みんなに感化されていいプレーができた」と岡本は、その時間帯を振り返る。
恩塚亨監督が代表活動で不在の中、チームは木村主将を中心に自分たちのバスケットを作るという意識でやってきた。しかし、恩塚監督が1週間前の拓殖大学戦から戻ってくると、チーム全体で恩塚監督に対する甘えがあったことを岡本が明かした。
「今まで自分たちでやってきたのに、自分たちで考えるということを軸にもってやらないとこれからが大変。自分たちで考えるということを一番に意識して1週間練習をしてきました」
これまで指揮官不在の中でチーム作りをしてきたものの、試合で苦しい場面を迎えれば、どうしても指揮官を頼りがちになる。ただ、東京医療保健大学は、練習からそこに頼らない取り組みをしていた。
「みんながプレゼントを渡し合う。笑顔や勇気、ポジティブな気持ち。みんながやっていたので、自分の3pやみんなの良いプレーに繋がったのでは」と岡本は取組の成果を強調する。
関東リーグ戦を制し、残すところはインカレである。岡本は昨年のインカレにおいて「個人的には不完全燃焼で終わってしまった」と苦笑いしながらその時を振り返った。
「全部思い切りだして、4年生に恩返しできるように頑張りたい」
岡本がチームに最高の3pをプレゼントできれば、必然的にチームとしても、個人としても楽しい時間を過ごすことができる。そして、ここまで引っ張ってくれた4年生に恩返しをするため、岡本が最高のプレゼンターとして最高の準備をすることだろう。