文 マンティー・チダ
関東大学ラグビー対抗戦Aグループは23日に秩父宮ラグビー場で、早稲田大学と慶應義塾大学による、伝統の早慶戦が行われ、早大が40-33と慶大を下して1敗を守った。
慶大のモールに苦しむが、早大は前半の貯金を生かして早慶戦に勝利
今年の早慶戦は、前半と後半で全く色合いの違うゲーム展開となった。
早大は、前半から素早いアタックでゲインを数えて、5トライを含む35点を獲得。FB河瀬諒介やCTB長田智希主将のラインブレイクをきっかけに、大きくリードを奪った。
前回敗れた帝京大戦で出た課題をグラウンドに落としこみ、早大は早慶戦に挑んでいた。記者会見に参加した大田尾竜彦監督、長田はともに「前半は強みが出て良かった」と成果を強調する。
ところが後半になると、慶大とのファーストスクラムでコラブシングを取られてから、タッチキックで自陣に入られると、ラインアウトモールから失点を多く数えた。「前半でうまくいったからと言って、後半もうまくいくとは限らない。ゲームプランも状況に応じて変化する事が重要」と大田尾監督は課題を口にする。
この日の早大は、勝ち切ったことが一番の収穫だった。「帝京大戦を負けた後の早慶戦で立て直しができたので良かった」と大田尾監督も安堵する。後半の勢いから考えれば、前半のリード如何で、慶大に逆転を許していた可能性もあった。前半の貯金が生きたことで早大は勝利することができ、12月4日に開催される帝京大と慶大の結果次第ではあるが、対抗戦優勝に望みを繋ぐことができたのである。
どれだけ試合内容が良くても、タイトルを獲得するためには、勝利が一番である。ただ、早大が慶大のラインアウトモールに苦しんだことから、次戦の対戦相手となる明治大学もこれを狙ってくることだろう。早大は、明大相手に教訓を生かすことができるのか。全ては12月4日の早明戦で答えが判明する。