文 マンティー・チダ
ラグビーの関東大学対抗戦グループAは9月25日、上柚木公園陸上競技場(東京都八王子市)で2試合が行われ、帝京大学が青山学院大学を52-0、早稲田大学が日本体育大学を92-0と快勝し、それぞれ開幕から2連勝とした。
モールやスクラムなど、FW陣の力強さが光った帝京大
帝京大は序盤から青学のペナルティーでタッチキックを選択し、敵陣深くまで入り込む。青学のコラブシングから、帝京大はスクラムを選択すると、FW陣が一気に押し込み、No.8奥井章仁が先制トライ。その後、帝京大は敵陣で試合を進め、ノックオンなどで得点機を逸していたが、前半26分にLO本橋拓馬が追加点となるトライを決めるなど、12-0とリードを広げた。
前半28分過ぎに、帝京大は青学にスティールからランを許してあわや失点という場面をしのぐと、左サイドを突破して敵陣へ。ラインアウトモールからPR上杉太郎が押し込んでトライを決めると、37分には上杉が再びラインアウトモールから連続トライに成功し、26-0で帝京大がリードして前半を降り返す。
後半9分、帝京大はFW陣の強度を保ったまま、ラインアウトモールからHO江良颯がトライを決める。19分にはFL青木恵斗がボールキャリーで敵陣インゴール手前まで迫ると、最後は江良が連続トライ。36分にはCTB志和池豊馬が抜け出して、追加点とした。試合終了間際には、ラインアウトモールから江良がこの日3本目のトライに成功。結局、52-0で帝京大が青学を下した。
明大、早大と三つ巴の争いになるのか
この試合は帝京大の独壇場。前半には、ノックオンなどでチャンスを逸することもあったが、ラインアウトモールからトライを決めると、その後はトライの量産体制。FW陣の力強さが際立った帝京大はまさに圧巻の一言だった。
自陣からボールをキープすれば、FWは果敢にアタックを繰り返して、ボールキャリーでゲインに成功すると、バックス陣も応えるように左右へパスを展開する。隙あらば、ランでサイドを駆け上がって、敵陣深くまで入り込んだ。そして、ラインアウトを獲得すれば、モールやスクラムで青学を圧倒する。一方、ディフェンス面では、自陣に攻め込まれても、強度の高いタックルで青学を無失点に抑えた。
第2試合では早大が2試合連続シャットアウトで勝利し、開幕から無失点を継続している。これで早くも、昨年対抗戦を制した明大も含め、三強の様相を呈してきた。慶應義塾大学を下している筑波大学がダークホース的なポジションとなれるのか、今後も対抗戦から目が離せない。