文 マンティー・チダ
Bリーグ、横浜ビー・コルセアーズ(以下横浜BC)は10月17日、横浜国際プールでサンロッカーズ渋谷(以下SR渋谷)との試合に臨み、80-73で勝利し、昨日と合わせて1勝1敗。16日のGAME1は、前半をリードして折り返した横浜BCだが、後半に入り、徐々に失速してSR渋谷に逆転負けを喫していた。
エドワード・モリスが渾身の3p2発でSR渋谷を突き放す
#9森川正明のレイアップと#2レイトン・ハモンズの好守備から始まったこの試合。この日は、レジナルド・ベクトンが欠場したことで、外国籍選手2人(#1パトリック・アウダとハモンズ)と#32エドワード・モリスでインサイドのローテーションとなった。アウダのダンクやハモンズのジャンパーなどで、横浜BCはリードを広げ、終盤には、森川と#14大庭岳輝の3pもあって、1Qを22-13と主導権を握る。
2Qに入って、横浜は大庭のカットインで先制すると、1Q途中からコートに入っていた#8古牧昌也が、SR渋谷#27石井講祐の3pをブロックショットで止める。アウダの速攻、大庭が2本連続の3p、大庭のアシストから#30須藤昂矢がレイアップと、横浜BCは残り5分を切るまでに、36-15とリードを広げた。終盤、SR渋谷がディフェンスの強度を上げ、#14ジェームズ・マイケル・マカドゥにバスケットカウントを許すなど、点差を詰められるシーンもあったが、横浜BCは42-29とリードして前半を折り返す。
後半、SR渋谷マイケル・マカドゥに先制されて、プレッシャーディフェンスからターンオーバーが続いた横浜BC。タイムアウトをコールしながら立て直しを図るも、#27石井講祐の3pから追い上げを許して、SR渋谷に45-41と4点差までされたが、横浜BCは#9森川正明の3pをきっかけに息を吹き返し、須藤のバスケットカウント、ハモンズのフローターと加点する。終盤、#44盛實海翔の3pなどで再び接近されるも、60-54と6点差で踏ん張って3Qを終えた。
4Q、逆転を狙いたいSR渋谷に対して、伊佐勉HCに「この2本が余計だった」と言わせた、モリスが3pを2本決めて、横浜BCは流れを呼び戻す。SR渋谷の得点を抑えて、優勢に立つと、森川が連続得点、#46生原秀将にもレイアップが生まれるなど、終盤に引き離した横浜が80-73とSR渋谷に快勝し、今季ホーム初白星とした。
ステップアップして勝った素晴らしいチームウィン
前日、横浜BCから逆転勝利を飾っていたSR渋谷にしてみれば、アウェイ連勝を狙う絶好の機会だった。というのも、横浜BCはインサイドの要である#7レジナルド・ベクトンを欠いていたからである。伊佐HC曰く「悪いゲーム。自滅だった」と振り返るほど、ライアン・ケリーが離脱中のSR渋谷にとって、痛い敗戦となってしまった。
横浜BCは何としてもホームで勝ちたいという気持ちが、ベクトン不在によって機運を高めた。横浜BCの指揮官として4年ぶりホームゲームを勝利した青木勇人HCは「ベクトンが出場できないというのは試合前から決まっていて、ある程度の修正は必要だった」とその舞台裏を明かす。
前日、横浜BCはターンオーバー25、SR渋谷にオフェンスリバウンド16を許していた。「ターンオーバーとオフェンスリバウンドをとにかく減らせるよう修正し、昨日同様に今日も(強度を)高くやろう」と青木HCは、選手たちをコートに送り出す。
ベクトンが不在ということから、高さの部分において不利を受けるはずの横浜BCだったが、「選手たちがベクトン不在という危機的状況を、各々がステップアップしながら、カバーして勝った素晴らしいチームウィン」と指揮官は選手を称える。
誰かが不在になっても、全員バスケでそれを補える力をつけてきた横浜BC。これから長いシーズン戦っていく上で、どんな困難があっても「全員バスケ」で乗り越えられるという自信がついたのではないだろうか。横浜BCの海賊たちが一致団結した瞬間だった。