文 マンティー・チダ
サンロッカーズ渋谷(以下 SR渋谷)が2016-17シーズン以来のチャンピオンシップ(CS)進出をかけて、激しい戦いを続けている。SR渋谷は4月18日時点で東地区4位、両地区4位以下のチームから上位2チームに与えられるワイルドカード枠において、同じ東地区の富山グラウジーズを抜いて1番手に浮上した。今シーズンは、コロナ禍の影響からチーム毎で試合消化数に差が生じ、勝率によって最終順位が決定される。この厳しい状況下で戦うSR渋谷の伊佐勉HCに現在の心境を伺った。
「目の前の試合をしっかり戦い、毎試合勝つしかない」伊佐勉HC
17日の試合では、前半からロースコアながら、横浜と互角な戦いを繰り広げていたSR渋谷。後半に入り、#4ロバート・カーターや#30須藤昂矢の得点などで横浜に一時はリードを許すが、4Qの序盤で流れを掴み、逆転勝利を飾った。
「前半は悪くなかったけど、横浜のペースで試合が進んでしまった。後半に入り、関野(剛平)が前からディフェンスをするようになってから、残りの4人も足が動くようになった。そこから自分たちのペースで試合が進んでいった」と試合を総括した伊佐HC。
自分たちのバスケットができていながら、相手のペースで試合が進んでいたことで我慢を強いられていたが、それを乗り越えての勝利だったのである。
「僕らは崖っぷちですから」
伊佐HCにCSへ向かうためのポイントを尋ねたとき、開口一番に出たコメントだ。ワイルドカード争いで1番手に浮上したものの、決して楽観できるポジションではないことが感じ取れる。
4月18日時点での順位
CS出場を目指すSR渋谷だが、発表されている残り試合数はわずか5。この5試合の結果次第で念願のCS行きが決まる。
伊佐HCは「まずは目の前の試合をしっかり戦うこと、いつどこで試合がキャンセルになるのかわからないので、相手のことは結果で見てしか星勘定を計算できないため、そういった意味では毎試合勝つしかない。他力ですが、試合があればどこかが勝つし負けるし。そこの差を最後に勝率で0.1%でも上回りたい。プレッシャーがつくけど、それから逃げられる仕事ではないので、もう向かっていくという話をチームには1か月ぐらい前に話をして、それを選手たちが逃げずに戦い続けてくれている」とチームの現状を語った。
果たしてCSに進出する8チームの顔ぶれはどうなるのか。レギュラーシーズン最終戦まで目が離せない。