【Bリーグ第1節】アースフレンズ東京Z ケイン・ロバーツが見せた衝撃のデビュー戦6分32秒

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バスケットボール
©マンティー・チダ
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文・写真 マンティー・チダ

衝撃の6分32秒だった。

アースフレンズ東京Z東頭俊典HCが「宝物」だと表現する。

いや宝物以上のものを見せてもらった。

弱冠18歳ながら、半端ないスピード感が持ち味のケイン・ロバーツが2020年10月3日にBリーグデビュー。

つまりプロのコートに立ったのである。

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可能性を感じさせられたケイン・ロバーツのデビュー戦

Bリーグ開幕2試合目の3Q、10点差を追いかける東京Z東頭HCはついにこの若者をデビューさせる決断をする。

残り1分40秒、#10岡田優介と交代してコートに入ったロバーツは、ボールをキープするといきなり超絶なスピードのドライブでリングにアタックするが、決めることができなかった。

越谷#24チャールズ・ヒンクルに3pを決められた後のクォーター終了間際には、アウトサイドから3pを狙うがこれも入れることはできず、そのまま3Qが終了する。

「自分のドライブに対して、相手がどういうリアクションをしてくるのかを少し見たかったです。その時にどういう風な反応をしてくるのかが見えたので、しっかり学んで4Qに生かそうかと思っていました」

そして、ロバーツの出番は再びやってきた。

4Q残り4分52秒、#17綿貫瞬に代わってコートに入ったロバーツは#24髙木慎哉の3pが外れた後、ゾーンディフェンスの前列に陣取る。

その時だった。獲物を狙うかのように、ロバーツが長い腕を生かして相手選手からスティールを奪い、そのままファストブレイクでレイアップ。

これがロバーツのプロ初得点となった。

「手が長いのもありまして、ボールが移動してくるパスレーンに手が入りそうな距離感を感じていました。確かに取りにいこうと思いましたが、手にボールが引っかかってくれたので、チャンスが来たかなと思います。スティールしてレイアップにつながったのかなと思います。これを決めたことで気持ちが楽になりました」

このワンプレーで気持ちが楽になったロバーツ。

その後、ぎりぎりのプレーでラインクロスをしてしまうこともあったが、アウトサイドから3pを決めるなど、シュート力も見せつけた。

そして衝撃のシーンを見ることになる。

オフェンスリバウンドからボールをキープしたロバーツは、右ウイングの位置にいた#14久岡幸太郎にパス。

久岡は3pを打つが無常にも外れた、その瞬間だった。

空いたスペースを見逃さなかったロバーツがスピードと跳躍力でリバウンドダンクを叩き込んだのだ。

声を出すことができない会場だが、只なる雰囲気に包みこまれる。

チームは敗れたものの、この後の楽しみが待っているかのようなロバーツのパフォーマンスだった。

「あそこのリバウンドに行く道筋が見えていて、シュートが外れたなと思いましたのでリングに向かって、ジャンプしました」

まさに天性の動きとはこういうことなのかと思い知らされる。

ダンクも強烈ながら、スペースを見つけて抜群のスピードでリングに向かった嗅覚がすごい。

「自分の良いところでもあります。そういうところをもっと試合の中で生かせるようにしたい」

ロバーツは謙虚にこう答えた。

表情はあどけなさが残る18歳、そのものである。

「東頭HCからも『チャンスが絶対に来るはずだから、しっかりと準備だけは怠らないように。しっかりとアグレッシブに受け身にならずにプレーするように』という話をしてもらいました。言われた通りチャンスをもらえたので、アグレッシブにできました」

東頭HCはロバーツについて「このレベルで覚えておかないといけないようなところが若干抜けている。今まではそれで許されていた。だから、厳しめに接していて、本人は結構良い意味でうっぷんが溜まっていたと思います。昨日の試合後『あなたはコート上でプレーをしているべきですよと。なんでコートに入れないのかきちんと考えなさいと。しっかり準備して整えられるようにしなさい』とロバーツに伝えました。やってきていることが難しいのですよ。1ランク上のプロに来ているので、覚えないといけないことも違うし、今までやってきたことと感覚的にも違うので。そういった面では最初アジャストすることに時間がかかること。そして、試合に出ていないことを怒りなさい。怒りをきちんとプレーに向けなさい。あなたはそこに出ていないといけない人間だから。今日は昨日と違って目の色が違ったので、だからやってくれたと思います。大事に育てていきたいと思いますが、厳しくやっていかないといけないかなと個人的に思います。うちのチームの中では将来代表に入れるだけの逸材になるかもしれないので」と今後の方針を語る。

ロバーツはプレータイムを増やすために「まだ若いですし、試合の中で学ばないといけないところは学ばないといけない。今までのプロセスの部分をしっかりどういう風に生かしていくか、今まで培ってきたところと現在学んでいるところをどういう風にミックスしていくかが自分の成長につながると思いますので、それができればプレータイムにも繋がっていくと思います」とこの日の活躍にもおごらず、しっかりと現在地を見据えていた。

今後のケイン・ロバーツのプレーぶり、試合へ出場するたびに進化するのは間違いないだろう。

©マンティー・チダ

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