文 マンティー・チダ
関東大学ラグビーリーグ戦が21日に夢の島競技場で行われ、日本大学と東海大学の全勝対決は19-19の引き分けに終わった。
最後まで互いに譲らずドロー
前半から押し気味に試合を進めていたのは東海大。22分、WTB伊藤峻祐がボールキャリーでインゴール付近に接近する。日大のディフェンスで倒されるが、後ろからフォローに入ったFLレキマ・ナサミラが倒れ込みながら先制トライをあげる。
先制された日大だったが、徐々にペースを掴み始めて、ブレイクから敵陣に入ると、NO.8シオネ・ハラシリがトライ。コンバージョンも成功して、12-12として前半を終える。
後半、スクラムで優勢に立った東海大が、レキマ・ナサミラにこの日2本目のトライで勝ち越しに成功するが、日大もWTB水間夢翔が敵陣22m地点からブレイクに成功し、そのまま独走トライとして逆転した。
日大はその後、WTB髙野謙人にもトライが生まれ、19-12とリードを広げるが、試合終盤に、スクラムで日大からコラブシングを獲得してペナルティーキックを獲得した東海大は、ラインアウトからフェーズを繰り返し、最後はFB野口幹太が抜け出して、ポール下にトライ。SO武藤ゆらぎのコンバージョンも決まり、19-19の同点。結局、このままノーサイドを迎え、全勝対決は引き分けとなった。
接点の部分で優位に立てず、アタックからリズムを作れないまま80分間が終了
東海大は、どうにか同点に持ち込んだものの、最後まで日大のディフェンスに手を焼いたままノーサイドを迎える。
前半に先制して、東海大はペースを掴みかけたところから、日大のタックルを受けてペナルティを重ねてしまい、日大に自陣へ侵入させると、同点のトライを許した。後半開始早々に、勝ち越しのトライを決めるが、直後にペナルティで自陣に入られて、日大・水間の独走トライとコンバージョンで逆転される。
東海大・木村季由監督は「日大のアグレッシブなプレーに対して、最後までリズムを作れなかった。自分たちでリズムを崩してしまい、反則については最後までアジャストしきれなかったのが一番の課題」と試合を総括する。前半の同点トライや後半の勝ち越しを許した場面は、直前のノットリリースザボールがきっかけだった。
FLジョーンズリチャード剛主将やSO武藤ゆらぎも「接点の部分で優位に立てず、アタックからリズムを作れないまま80分間が終わった」と口を揃える。
リーグ戦後に行われる大学選手権では、フィジカルコンタクトの強いチームと対戦する可能性もあるだろう。「課題が明確になったので、次の週へ向けていきたい」とジョーンズリチャード剛もコメントするように、日大戦で得た経験を大きな糧としたい。