文 マンティー・チダ
関東大学女子サッカーリーグ戦1部は9月5日、早稲田大学東伏見グラウンドで1試合が行われ、早稲田大学が前半から試合を支配して慶應義塾大学に8-0で完勝した。
試合開始から右サイドを起点に慶應義塾大学のゴールへ攻め込んでいた早稲田大学。前半17分に、#26木南花菜がスライディングで先制点をあげると、この日復帰戦となった#18三谷和華奈が、右サイドのクロスからこぼれ球に反応して2点目を叩きこむ。その後も終始相手陣内で試合を展開した早稲田大学が7-0と慶應義塾大学を大きくリードして前半を折り返した。
ハーフタイムを挟んで、3人を入れ替えた早稲田大学は、前半に続いて慶應義塾大学のゴールに攻め込むが、フィニッシュが決まらない。しかし、ここまで2得点をあげていた三谷が右足でミドルシュートを叩きこみ、ハットトリックを達成する。結局、8-0で早稲田大学が慶應義塾大学に勝利して、1か月半ぶりの実戦となったリーグ戦を白星とした。
復帰戦でハットトリックの三谷和華奈「1点目を決めた時はかなりほっとしました」
早稲田大学は、この日のリーグ戦が7月17日の日本大学戦以来の実戦となった。
チーム同様にケガからの復帰戦となった三谷は、この日最初の得点が決まった時「かなりほっとしました」と笑顔でその時の心境を表現する。
「久しぶりに得点したので、いつもであればゴール上に打ってしまうのですが、しっかり押さえて蹴ることができたので。あそこで1点確実に決められたのは、自分の中でも『よし行くぞ』という気持ちになりました」と三谷は続けた。
1点目を決めたことで自信がついた三谷は、その勢いで2点目を奪取。後半に入って63分に、三谷はミドルレンジから右足を振りぬくと、ゴール右隅に吸い込まれ、ハットトリックを達成する。「相手も疲れてきている中で、思い切ったプレーはチームに推進力をもたらすと思っているので、それが自分の良さでもあると思います」とまさに狙いすました3点目のミドルシュートだった。
早稲田大学としても、1か月半ぶりの実戦となったが、大量得点という一発回答で上位チームの底力を見せつけた。「自粛期間中もチームメート間でコミュニケーションを図っていた。チーム力を高める意識はしていたので、チームメートがバラバラになったとしても、心配はしていない」と早稲田大学は実戦から遠ざかっていても、日常においてもやるべきことを推進していた。「練習量は他の大学より足りていないかもしれませんが、全員で準備をしていければ問題ない」と三谷は自信をのぞかせる。
自粛期間の影響で、これから延期分もこなさないといけないため、スケジュールがタイトになると予想される。「無観客でありながら、試合ができる事に感謝の気持ちを一人一人が持って、その感謝をどう表現していくのか、結果に繋げていくのか。ここからチーム力が試されると思うので、日々の練習を全員で高め合い、4冠に向けて頑張っていきたい」と三谷はタイトル奪取を改めて誓った。
早稲田大学は、関東大学リーグ戦を制することがまず求められる。そのうえで、インカレなどほかのタイトルにも熱をいれておきたい。帝京平成大学や東洋大学、ここ数試合でディフェンスが強固になってきた日本大学など、強豪との試合を控えているが、どんな状況においても準備をしっかりできれば、自ずと結果に直結することだろう。