文・写真 マンティー・チダ
アースフレンズ東京Zは開幕2試合を1勝1敗で終了。
開幕戦では劇的な逆転勝利を達成するなど、見ごたえのある試合を見せてくれた。
2試合を通して、#10岡田優介や#17綿貫瞬らベテランの存在感に目が行きがちだが、忘れてはならない選手がいるというか、チームのこれからを担う若手が現れた。
それがルーキーの#24髙木慎哉である。
大東文化大学在学中の昨シーズンに特別指定選手としてチームに加わると、加入3試合目には18得点を稼ぎ、プレータイムの平均時間も12分を超えるなど結果を残し、今シーズンの契約を勝ち取った。
そして、記者会見で東頭俊典HCが「練習を通してプレータイムを勝ち取った選手」と評価するぐらい、この2試合で最もパフォーマンスを発揮した選手と言っても過言ではないだろう。
何しろ、2試合連続2桁得点、1試合平均ではチームトップの成績を残している。
開幕戦の試合後に取材をしてみると「話すのは苦手なのです」と言いながら、しっかりとした口調で試合を振り返ってくれた。
バスケットボールは私生活にも繋がっている
「本当に良いところ取りをしてしまいました。チームとして高いパーセントのシュートを打つということで、そこにたまたま私がいて決めただけです」
髙木は謙遜しながら、開幕戦をこのように振り返る。
「そこに私がいて決めただけ」と答えたが、そのシーンが3Q中盤で逆転に成功し、その後に岡田のファウルから越谷#34ベンジャミン・ローソンにフリースローを1本決められて同点にされた後、髙木が短い時間で3本の3pを決めて、チームを窮地から救ったシーンである。
「1本目を打った時に結構シュートタッチが良くて、2本目はフリーになれば打とうと思いシュートを打てば入り、3本目もシュートを打ちたくなっちゃってきめることができました。無我夢中でしたね」
確かに岡田がドライブで相手のディフェンダーを2人ひきつけて、それにより髙木がフリーになったシーンもあった。
2本目と3本目の間のオフェンスでは、バーンズのパスミスでターンオーバーとなり、越谷に速攻を許している。
ファウルで何とか難を逃れていたが、決して良い雰囲気ではないところで3本目の3pをしっかり沈めていた。
髙木は昨シーズン途中で入団のため、プロの開幕戦は初めてだった。
コロナ禍においても体育館が使えないということもあって、自宅でトレーニングを重ねていた。
「いつかは試合ができるだろうと日々のケアを怠らず」という心境で過ごしながらも、不安は無かったと話す。
「やるべきことをやることが大事だと思っていましたので。不安になる前の準備というか、きちんと自分はできるぞというところまで気持ちをもっていくと、できないのではないのかという気持ちは無くなり、練習からいつも準備をしていました」
そして髙木は「バスケットボールは私生活にも繋がっている」と続けた。
「どこかが乱れるとバスケットボールでも乱れたりするわけですから」と私生活でも自分自身に厳しく接している。
次の試合についても「自分たちがやるべきこと、チームで決められたこと、ルールとかをしっかりやるだけです」とコメント。
実際に2試合目も4Qに2連続で3pを決めて、越谷にタイムアウトを使わせていた。
髙木が得点源になることで、チームの活性化は大きく前進する。
どこまでスコアラーとして伸びていくのかを期待したい。