【バスケBリーグ第10節】横浜BCが川崎に103失点で今季の神奈川ダービー全敗、ディフェンスよりも日本人選手のスコアメイク向上が急務

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バスケットボール
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文 マンティー・チダ

Bリーグ、B1の横浜ビー・コルセア―ズ(以下横浜BC)は、ホームの横浜国際プールで川崎ブレイブサンダース(以下川崎)との神奈川ダービーに挑み、連敗を喫した。これで、横浜は今季の神奈川ダービーを全敗で終了。特に12日は、B1全体を見ても強みとしていたディフェンスが崩壊。川崎に103点を奪われて、バイウィーク明けから4連敗、11月10日の群馬戦から7連敗となった。

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川崎との神奈川ダービーは今季全敗で終了

©マンティー・チダ

12月にリーグ戦が再開し、アウェイで北海道と接戦から連敗を喫した後の神奈川ダービーだった。#1パトリック・アウダが4日の北海道戦で、コートエンドのスポンサー看板を蹴り飛ばす行為からリーグ戦2試合出場停止処分を受けたことで11日の川崎戦も欠場し、チームも完敗。12日にはアウダも戦列に復帰し、巻き返しを誓ったGAME2であった。

試合開始から、横浜BCは#2レイトン・ハモンズがレイアップを決めて、幸先よくスタートのはずが、その後立て続けに9失点。残り8分にアウダがコートに入り、#9森川正明が果敢にペイントアタックを仕掛けて3連続得点、アウダも続いて10-11と1点差まで詰めたまでは良かった。

ここで川崎が#34パブロ・アギラールをコートに入れて、#22ニック・ファジーカス、#35ジョーダン・ヒースとのビッグラインナップにすると、横浜BCもそれに合わせるような形で、#32エドワード・モリスを投入し、ベクトン、アウダとのビッグラインナップにした。

ただ、ビッグラインナップに関しては、強みにしている川崎が上手だった。ファジーカスのジャンパー、#7篠山竜青が3pを含む5得点、#13前田悟も3pで一気に8点を加算し、横浜BCはたまらずタイムアウトをコール。ただ、横浜BCはこれ以降何とか喰らいつき、36-46で前半を折り返す。

10点差を追いかける横浜BC。「出だしのエナジーを警戒していた」と川崎・佐藤堅次HCが話した通り、横浜BCは前半同様にハモンズから3pを決めていくが、#23マット・ジャニングにフリースロー3本を冷静に沈められ、森川のシュートも#11増田啓介にブロックショットをされてしまい、流れに乗り損ねた格好となった。

立ち上がりをうまく乗り切られると、ジャニングに3p、増田にもレイアップを入れられて、横浜BCは川崎に15点ビハインドとなりタイムアウトをコールするが、流れを呼び戻すどころか川崎に引き離されてしまい、残り2分38秒には、後半2度目のタイムアウトを請求する。

3Q終了時点で17点ビハインドとなった横浜BC。4Qに入って、なんとか巻き返したいところから、#46生原秀将が2回、ハモンズ、#8古牧昌也(2回)も個人ファウルを喫し、残り6分42秒で早くもチームファウル5回を数える。その間で得点差は20点まで広げられ、残り5分59秒には生原が個人ファウル5回目となるアンスポーツマンファウルを受けてファウルアウト。横浜BCは、厳しい状態に追い込まれた。

その後も川崎に容赦なくシュートを決められて、横浜BCは今季初の3桁失点となる103失点。ディフェンスを強みにしてきた横浜BCにしてみれば、何とも後味の悪い敗戦となった。

もっと決められるシュートはいっぱいある。自信を持って打って決めてきてもらいたい

©マンティー・チダ

前半を10点ビハインドで持ちこたえたことから、青木勇人HCはハーフタイム時に「ボールをみんなで守る。4Qで追いついて捲っていきたい」とチームの公式Twitterからコメントをしていたが、後半の出だしから川崎を追い上げるどころか、川崎に引き離される展開となってしまった。

「1対1のところで、縦に抜かれてしまい、そこからのずれが大きかった。川崎の選手に深く入られたことでかなり悪いことが起こり、ペイントエリアを踏まれた数が多くなってしまった。もう少し頑張って縦に抜かれないディフェンス、チームとしてそこをカバーするということを徹底しないといけない」

B1において、ここまで1試合平均失点でリーグトップクラスの成績を残していた横浜BCは、川崎が誇るオフェンスの前に、ディフェンスが崩壊。これまでは崩壊するまでに何とか粘りを発揮して接戦まで持ち込めていたのだが、その域を超えてしまったのである。

前節の北海道戦では、ディフェンスで粘りを発揮するものの、得点が伸びなかった。そこの改善を目指したい川崎戦でもあった。

「自分たちの強みにボールを供給したい。そこまでに時間がかかってしまい、人数をかけられたところで、他の所からシュートを決め切れるかどうかというのは、もう少しチームとしても確率を上げていきたい。それができないと、抑えるところを抑えてしまえば、(横浜BCは)勝てるチームと思われてしまう。ワイドオープンを作るとか、アタックできる選手をチームとして作っていきたいし、シュートを探していきたい」

青木HCは大敗を喫した川崎戦をこのように総括した。いくらディフェンスに定評があったとしても、川崎のような3pやビッグラインナップを強みとしたチームであれば、ある程度の失点は覚悟しないといけないし、川崎を70点台に抑えるのは現実的に難しい。となれば、得点が伸びてこないと勝負にならないのである。

横浜BCは12日の川崎戦であげた77得点のうち、アウダ、ハモンズ、ベクトンで約8割に迫る57点。シュート試投数においても、この3選手と森川の数字が抜けて多い。言い換えると、4選手以外の得点及びシュート試投数が伸びてこないと負けパターンに陥ってしまうわけだ。

#30須藤昂矢や#14大庭岳輝は、連敗中において得点が2桁に迫るときもあったが、安定したスコアメイクができていない。生原も昨シーズンは勝負所で3pを決めて、チームを勝利に導いていたが、ここ数試合は得点をあげるときでもフリースローによるものが多く、チーム方針なのか、勝負所でシュートが打てていない印象がある。川崎が#0藤井祐眞の欠場で、#20綱井勇介、#18鎌田裕也といった選手たちがステップアップしたのとは対照的だ。

「確率で判断してもらえればと思いますが、もっと決められるシュートはいっぱいある。自信をもって打って決めてきてもらいたい。そこが生命線になると思いますし、日本人選手の得点もこれから期待しているところです」

いくらディフェンスで結果を出しても、得点が伸びてこなければチームの勝利はついてこない。ディフェンスを立て直すことよりも、「良いシュートを探して、それを決め切る」ことがより一層必要だと実感させられた川崎戦だった。

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