文・写真 マンティー・チダ
Bリーグ、横浜ビー・コルセアーズは1月8日、横浜国際プールで昨シーズンリーグ準優勝の琉球ゴールデンキングスと対戦して70-76で敗れた。7日の土曜日は67-51とロースコアゲームを制していただけに、ホーム2連勝を達成することはできなかった。
今季シーズンハイの19得点、セカンドユニットで存在感を放つ
残念ながらホーム2連勝とはならなかったが、横浜BCは実りのある2日間を過ごすことができたようだ。GAME1は琉球を51点に抑え、GAME2は琉球に逆転を許して敗れたが、横浜BCは、各々が役割を果たし、昨シーズンリーグ準優勝で今季も西地区で激しい上位争いを繰り広げている琉球と互角な試合運びを見せてくれた。
琉球桶谷HCが「非常にやりづらい相手」とするほど、横浜BCは1Qから琉球にペイントエリアへ侵入させないディフェンスを徹底し、琉球に思う様なオフェンスをさせなかった。
#10チャールズ・ジャクソンが残り2分55秒にテクニカルファウルをコールされて、個人ファウルが早くも2個目を数える中、セカンドユニットのスコアラーでもある#9森川正明が#18森井健太と同時にコートイン。「自分が出ている時間帯は、ディフェンスから入ることを意識している」とその時の心境をつづった森川は、最初のシュートアテンプトとなったコーナースリーを沈め、横浜BCは23-14でリードして1Qを終える。
2Qに入っても、森川のシュートタッチが衰えることは無かった。オフィシャルタイムアウトを迎えるまで3本の3pを決めるなど、前半のフィールドゴール成功率は100%としてチームを牽引。森川の活躍もあって、横浜BCは39-29で琉球をリードして前半を折り返す。
後半に入り、残り5分42秒でコートに入った森川は、キャッチ&シュートで3pを果敢に狙うが決めることができなかったため、4Qではペイントアタックからレイアップでシュートを狙い、結果的にはバスケットカウントも含めて5点をもぎ取っていた。
「僕としてもアウトサイドシュートが当たっていたので、積極的に狙っていこうかなと思っていましたけど、琉球さんがすごくそこをケアし、ボールをもらうときもハードに来ていたので、自分の形でスリーは打てなかった。逆にスクリーンを使って、ボールをもらえれば、ドライブというのは行けるのかなと。無理してスリーを打ってしまったのはありました」と森川はその過程を説明する。
森川はこの試合で5本の3pを決めると、B1個人通算3p300回達成となっていた。後半を迎える前に残り1本で記録達成としていた森川ではあったが、その真意を聞いてみると、
「試合中なので、記録はそこまで意識をしていませんでした。(笑)前日にTwitterを見た程度で、あまり記録は意識しないほうです。ただ、(あと1本ならば)ホームで達成したかったですね。(笑)」と苦笑い。
森川が今季個人最多得点の19得点としたものの、チームは逆転負けを喫して連勝とはいかなかった。しかし、この1勝1敗には価値あるものだと考える。
その証拠に、2022年11月20日のA東京戦からセカンドユニットのスコアラーに役割変更していた森川が、だんだんその役割にはまってきたのは、チームにとっても大きなことだった。
横浜BC青木勇人HCは、森川について「元々スコアリング能力は持っていますし、そこを試合の必要な時に表現できるのは、チームにとってもすごく心強いこと。前半、点にかなり絡んでいる場面がありましたので、もう一度スコアが欲しい時に彼の力が必要だなと思いました。そのため、プレータイムが普段より長くなりました。自分の仕事をコートで表現できる頼もしい存在」と改めて評価する。
森川は「青木HCからは、セカンドユニットの得点力を上げて欲しいと言われていますので、僕もそこは意識をして。スタートはユウキ(#5河村勇輝)を中心にプレーを組み立てていると思いますけど、コートに入った時は自分が起点になるところを意識していますし、バスケットの幅と言う意味では、自分が出ている時間帯は効果的な時間になると感じていて、特にオフェンス面では引っ張っていきたい」と自らに課せられたセカンドユニットのスコアラーを全うしようとしている。
11日の富山戦がオールスター前最後の試合となり、横浜BCは前半戦を勝ち越して後半戦へ向かう。現在中地区の首位争いをしているのが、同じ神奈川県内のチームである川崎ブレイブサンダース。3月15日(水)と4月8日、9日に直接対決となる神奈川ダービーまで、横浜BCは、この位置をキープすることができるのか。後半戦も前半戦同様、いやそれ以上の「全員バスケ」が求められ、その頃にはセカンドユニットのスコアラーである森川がもっと躍動しているはずである。