文 マンティー・チダ
ようやく本領発揮なのか。横浜ビー・コルセアーズ(以下:横浜BC)に今季から新加入した#2レイトン・ハモンズが、ここにきて上り調子になってきた。
昨シーズンはロシアリーグでフィールドゴール成功率50%を記録
ハモンズは2020-21シーズンをロシアでプレーし、1試合平均14得点に加え、フィールドゴール成功率50・3パーセント、3p成功率47.4パーセントと高確率を記録し、チームのトップスコアラーとして活躍。
7月中旬に横浜BCへ合流するが、プレシーズンゲーム、リーグ開幕戦となった川崎ブレイブサンダース戦では、調子が今一つで、少し時間がかかると思われていた。
好転の兆しが見えてきたのが、17日のSR渋谷戦。インサイドの要である#7レジナルド・ベクトンが欠場したことで、ハモンズはスタートから出場。そして、最初に見せ場を作ったのは、攻撃ではなく守備だった。
#9森川正明と#1パトリック・アウダが得点に絡む中、ハモンズは地味に守備で貢献し、攻撃権を獲得すると、その後は自らもレイアップなどで6得点。守備をきっかけに攻撃でも存在感を発揮し、ベクトン不在の中でチームを勝利に導いていた。
少しずつ調子を上げてきたハモンズは、第4節の島根戦GAME2において、3p7本を含む31得点を稼ぐ。特に1Qは島根のペースで進んだにもかかわらず、ハモンズが20得点を獲得したことで、島根を4点リードしていた。
残念ながら、その試合では敗れたものの、ハモンズがあげた1Qの20得点が無ければ、横浜は島根に惜敗ではなく、惨敗していただろう。
チームメートが自分のことを非常によく見つけてくれて、パスを供給してくれた
「過去のキャリアで2回ほど、GAME2みたいな自分だけがほぼ得点を決めるというのはありました。それはチームメートが自分のことを非常によく見つけてくれて、パスを供給してくれたので」とハモンズは得点シーンを振り返る。
24日の試合でスコアラーとしての存在感を発揮したハモンズではあったが、2Q以降は島根のオフェンスリバウンドに苦しみ、流れに乗ることができなかった。
「一番の敗因はオフェンスリバウンド。2Q、3Qで相手にオフェンスリバウンドを多く与えてしまったことから、次のオフェンスで焦りというか、何とかしないといけないという、精神的な部分で負担になってしまった。オフェンスリバウンドを多くとられたことで、自分たちが落ち着きを失ったのが様々な場面で見られた。オフェンスリバウンドがすべてです」とハモンズはGAME2の敗因をはっきり口にした。
リーグ戦開幕当初に比べれば、オフェンスが機能してきて、ターンオーバーも10個前半で推移していているが、リバウンドではB1に所属する22チーム中、21位と苦しんでいる。「オフェンスリバウンドさえ改善できれば」とハモンズが口にするのも、うなずける点ではある。
リバウンドで分が悪いのであれば、動いていくしかない。これこそ、ハモンズの真骨頂。青木勇人HCは「ハモンズは4番であればスピードのミスマッチ、3番であれば高さのミスマッチを狙いたい」と過去に発言していた。
横浜BCとしては、ハモンズを3番に置くのが理想だろう。しかし、チーム事情を考慮して4番起用とするのであれば、機動力を生かすしかない。得点を量産することで、相手のマークを散らすことも可能だ。
ハモンズが4番で出場している時間帯が得点の稼ぎどころであり、リバウンドで不利になる場面となる。ベクトンやアウダらに過剰な負担を背負わせないためにも、ハモンズがどこまで機動力でチームに貢献できるのかだろう。